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第3話 このシナリオに入ってから、コダマタウンのお店「ビッグウェーブ」がオープンします。カードトレーダーなどもあるんで最初は結構お世話になります。また、コダマタウンの電波から「ビッグウェーブ」の店内に侵入し、店の中のレジにウェーブアウトして、サーフボードを調べると、ウォーロックの装備がもらえます。暇な時にちょっと立ち寄るといいでしょう 展望台に行く ↓ コダマタウンへ ↓ コダマタウンの電波にウェーブインしてヘイジにタッチし、トランサーを見る ↓ 展望台のピッチングマシンを調べる ↓ ビッグウェーブの前にいる少年に話しかける ↓ ウェーブインして少年のトランサーを調べる ↓ 展望台のベンチの下を調べて、ピッチマンのナビカードをゲット ↓ ウェーブインしてピッチングマシンの電脳に入る ↓ ボール型の機械を調べてウィルスとバトル開始 ↓ ウェーブインしヘイジのトランサーに入る ↓ 家に帰って寝る ↓ リビングに行く ↓ ヘルプシグナル ↓ 展望台の機関車を調べる ↓ バスに乗ってアマケンへ行く ↓ 研究室にいる天地さんに話しかける ↓ 科学館からウェーブイン デンジハボールは、科学館の電波、擬似宇宙の電波、アマケン玄関の電波、 研究室の電波にある ↓ 天地さんとミソラに話しかける。 ↓ 研究室の扉から屋上へ行く。 ↓ 自宅前に行く。 ↓ ウェーブイン。 ↓ コダマタウンの電波を道なりに進んでいく ミニゲームのようなものが行くたびにある ↓ 会話イベント後、展望台の電波へ。 ↓ 道なりに進んでいく またミニゲームがあるが苦労することは無い ↓ 道なりに進んでいく イベント後、ウェーブアウトしてバスでアマケンへ行く ↓ アマケンがいかんからウェーブインし アマケンがいかんの電波へ ↓ 道なりに進む。 またミニゲームがある ちょっと難易度が上がってるが、対して苦労はしない ↓ 奥に進み ボス戦「ハープ・ノート」
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シャドウという存在についての見解は諸説ある。 人間の精神を喰らうことで害悪を成す「人類の敵」。 怪物の姿をとり、必ず体のどこかに所属アルカナの番号が刻まれた仮面を持つ 人間の抑圧された願望・欲望から生み出される存在。 自分の暗部を見つめる力がゼロになった時、制御を離れて外へ迷い出る自分自身。 自意識が嫌悪する人格。自意識の影。 そのどれもが正解で、どれもが的を外れていると八雲紫は語る。 科学の栄光は人類に光をもたらしたが、一方で、それまで人間の陰として寄り添ってきた 妖怪、妖精、神、怪物、ありとあらゆる神秘達は記憶の隅へと追いやられていった。 必要のなくなったモノに、人は容赦しなかった。 魔術は迫害され、信仰心は失われ、錬金術は忘れ去られた。 彼らの時間だった夜は人間の作った灯りに浸食され、彼らの居場所だった自然にはコンクリートの箱が乱雑に建ち並んだ。 やがて、彼らは人類を見限り別の世界へと旅立っていった。 エルドラド、桃源郷、魔界、天界、地獄、幻想郷、様々な理想郷へと――――。 紫「全ての異端が表から去ったわけじゃない。独自に進化したものや他の国に逃れた者、人間に溶け込んだ者もいる。 重要なのは、地球という船の玉座に『人間』という種だけが居すわったことよ」 人は科学という光を使い、自らの身を脅かす闇を克服することに成功した。 しかし陽と陰が、どちらかが欠けることも、どちらかが離れることも許されないように、 陽である人間がいる以上、陰の座を埋める者が現れるのは世の必然である。 結果、たかだか数百年程度の文明では世界の根本的なルールを変えるには至らず、 追放した闇のかわりに新たな闇を呼び込むことになってしまった。 シン「まさか、それが・・・」 去って行った者たちの穴を埋めるために世界が人間の心から生みだしたもの 妖怪の代用品、人間が抱えていた感情の欠片、人類の歪みの象徴。 紫「すなわち、人間の陰『シャドウ』」 ゆえに、彼らは人を襲う。憎しみ、恨み、嫉妬、執着、あらゆる負の感情を持つがために。 ゆえに、彼らは心を食べる。自らに足りないものを補うように。 ゆえに、彼らは途絶えることが無い。歪みが正されるか、人類全てが己の陰を御せるようになるまで。 題名未定 第三話「 Like a dream come true 」 中篇 八雲紫のシャドウについての説明はかなり難解で、SFにそれほど詳しくないシンにはさっぱりなレベルの内容だった。 それでも要点をある程度把握できたのは、マユによくそういう系列の本を読んでやっていたおかげだ。 (もちろん、マユのリクエストで) 紫「こんなところかしら。急に無口になったけれど、ちゃんと話しについてこれていて?」 シン「いや、正直規模がでかすぎて全然ピンとこない。 ・・・なあ、人間が変わらない限りシャドウも消えないなら、勝ち目なんてないんじゃないか?」 紫「あら、意外ね。後先考えずにシャドウに向かって言ったあなたが、今更勝ち目を気にするなんて」 シン「あんたがそれを言うなよ!」 紫「もう、ほんの冗談じゃない。それにそれほど絶望的な話じゃないわ。シャドウは基本的に臆病だから積極的に人を襲ったりしないし、 “影時間”でしか自己を確立できない。それもおいおい説明していくわね」 と言っても、これから話すこともほとんどが推論と考察から成り立っているのだと彼女は言う。 シャドウは、人の魂の欠片だけあって膨大な数があり、成り立ちから力量までばらばらなんだそうだ。 はたしてどれが真実なのかは、もっと時間をかけて検証する必要があるらしい。 紫「まず、シャドウに心を食われた人間は『無気力症』となります。この症状の事は?」 シン「聞いたことがあるくらいだな。昨日まで元気だった奴が、急に何事にも無気力な“影人間”になるって」 紫「正解♪ それが心を食われし者のなれの果て。魂の中に潜む『シャドウを抜かれて』息をするだけの死人になり下がるの。 だから、心を食べられるという言い回しも厳密には正しくないわ」 無気力症患者――通称 “影人間”――は治療法が無いことで有名だった。 十年前から徐々に増え始め、医療と名のつくあらゆる方法を試してみたが効果はなく、どの医者も原因がわからない。 当たり前だ。本当にシャドウに心を食われたのだとしたら、医者がどうこうできる問題じゃない。 その割に、ある日ふと病気が治ることがあったりしたらしいが・・・。 紫「それは、心を食べたシャドウが倒されたことで、“影人間”となった人間が元に戻ったのね」 シン「それもペルソナ使いがやったのか」 紫「恐らくそうでしょうけど確証はないわ。影時間にはたどり着けなくとも、 シャドウを倒すだけならペルソナ使いでなくとも可能ですもの。 退魔を生業としている者達はこの国では意外と多いのよ」 シン(そりゃあ、妖怪も生き残ってるしな。俺の目の前にもいるし) 紫「ねぇ、シン。『1日は24時間じゃない』・・・なんて言ったら、あなたは信じるかしら?」 シン「24時間じゃない? もしかして、それって、さっき言ってた“影時間”と関係があるのか」 紫「察しがいいじゃない。そう言えばあなたはもう“影時間”を経験してたわね」 シン「巌戸台分寮であんたと会う前にな。通りで街の様子がおかしいはずだよ」 彼女によれば、“影時間” とは一日の終わりに現れる人間が干渉することのできない、陰の存在が支配する世界。 簡単にいえば、シャドウが活動することのできる時間だそうだ。 影時間の中では、陽の存在である人間を含めて人間の作ったものまですべて静止する。 この街で見た、そこら中に立っていた棺おけのようなオブジェは「象徴化」 (という生命が無機質な結晶になる現象)した人間だったらしい。 ただ、普通の人には知覚できなくても、“影時間”に適性のある人はその特殊な時間に迷い込んでしまい、 結果シャドウの犠牲になってしまうそうだ。 紫「(連日発生するようになったのは、十年前のある事件がきっかけなのだけれど、それはまだ話すべきじゃないか・・・) それに対抗できるのは、同じく“影時間”に入り込むことができる特殊な才能を持った・・・」 シン「ペルソナ使いだけってことだな」 紫「大正解♪ 彼らは、シャドウを己が力として用いることができる進化した人間。ううん、むしろ歴史的にみれば逆かしらね」 シン「逆? 」 シャドウとペルソナはそもそも同じ存在なのだと、八雲紫は言葉を続ける。 シャドウ、つまり抑圧された人格は、人の意思で制御することでペルソナとなる。 ペルソナは神や悪魔の姿をしたもう一人の自分とも呼ぶべき存在で、人間を超えた様々な能力を持っている。 そして、ペルソナを使う者達の事を総称して『ペルソナ使い』と呼ぶ。 しかし、人類は、シャドウに対抗するために『ペルソナ使い』として進化したわけではないらしい。 紫「ペルソナ使いの方が、シャドウよりもずっと早く存在していたの。だから、逆なのよ。 彼らは、ずっと昔から戦っていたわ」 シン「戦ってたって、あんたみたいな妖怪とか?」 紫「妖怪、魑魅魍魎、要は人間以外の何か、そして人間や他のペルソナ使い」 シン「ペルソナ使い同士が!?」 紫 「人を超えた力を持っていても、所詮心は人のまま。思惑が違えば、争うこともあるわ。 最近で言えば、セベク・スキャンダルが有名かしらね」 セベク・スキャンダルなら、シンも聞いたことがあった。 1996年、東京にある御影町がプラズマの壁のようなもので完全に隔離され,一切の交信が不可能となった怪事件だ。 セベクと言う企業が起こした事故だったらしいが、社長の事故死によって真相はうやむやになってしまっている。 シン「噂では悪魔が出たって話もあったみたいだけど、あんたが例にあげた所を見ると本当だったんだな」 紫 「ええ、本質は違っても悪魔は確かに実態を伴って現れたわ。そして、それを始めたのは・・・」 シン「ペルソナ使い・・・」 紫「終わらせたのもそう。彼らにはそれだけの力があった。そして、貴方にも。 もっとも、貴方の場合はまずそのペルソナを交換しないといけないわね」 シン「交換!? でも、ペルソナはもう一人の自分とも呼ぶべき存在だって」 紫 「貴方の場合は、他のペルソナ使いと違って無意識集合体から自分を何人も汲んでこれるから、 ある程度融通がきくの。それとも、またペルソナを暴走させて暴れ回りたいのかしら?」 シン「い、いや、そんなことは・・・」 強い口調で嫌味を言われて思わず首をすくめるシン。 気に入らないヤツが相手ならこれでもかと強気に出られるが、 どうもお姉さんタイプの女性に叱られると言い返せない性分のようだ。 紫「大人しく、弱いペルソナから始めなさい。急がば回れ、 焦らなくても戦いで経験を積めば自然に強くなれるでしょう。 それまで、あなたのペルソナは私が預かっておきます」 シン「けど、わざわざ強いペルソナを手放さなくても訓練して使いこなせるようにすれば」 紫「・・・シン、萃香と私がいなければ、あのビルは粉々に吹き飛んでいたかもしれないのよ。 貴方に与えられた力は、それほどに大きなものなの。 力を持っているのならば、まずそのことを自覚しなさい」 一瞬で背筋が寒くなった。 あのビルを吹き飛ばすってことは、そこにいる人間まで軒並み道連れにするってことじゃないか。 守ろうとした、あの二人さえ殺すところだったって言うのか。 夢に出て来たあの血染めの人たちのように・・・。 気持ちがいっきにマイナスに傾く。 むせかえるほどの血の匂いを思い出して、シンは思わず口を押さえた。 たかが夢だと割り切っても、心の中にねっとりと染み付いた光景は早々簡単に消えてはくれないらしい。 シン「・・・」 紫「これで、シャドウとペルソナのお話は終わり。戦いの場は、時期が来ればあちらからやってくるでしょう。 今日のところは得た知識を記憶しておいてくれるだけでいいわ。 何か分からないことはあるからしら?」 シン「・・・大まかにはわかった。続きは頭の整理が終わった頃に聞くからいい」 紫「・・・そう。それならよかったわ」 顔色が悪くなったのを知ってか知らずか、紫はシンの頭を断りもなく撫で始めた。 若干癖がついている髪の毛を紫のさらさらの手がゆっくりとすいていく。 勝手に体を触られているにもかかわらず、不思議とシンの心に怒りは湧いてこなかった。 むしろ伝わってくる暖かさと居心地の良さに、不安定になっていた心が落ちついていく。 それは、始めて来た街で過酷な戦いに巻き込まれたシンにとって、数時間ぶりに心が安らいだ瞬間だった。 シン「・・・ありがとう。もう、大丈夫だから」 紫 「あら、何の話かしら」 シン「わかって言ってるだろあんた。どうしてそう素直じゃないんだよ」 紫 「お互いさまでしょうに。あ、でも、恥ずかしそうにお礼を言う顔が可愛かったからもう一度言ってくれない?」 シン「二・度・と、言わないからな!」 紫「えぇ~、いいじゃないのそのくらい。ケチんぼねぇ」 急にまじめな顔をしたり、にこにこ笑ったり、ペースがころころ変わって何を考えてるのか全く読めない。 というか、どこまでが本気で、どこまでが冗談なのかすらよくわからない。 どことなく胡散臭いことも含めて、本当なら信用できない部類の相手なのだろう。 しかし、シンはいつの間にか彼女を疑うことをやめていた。 彼女が自分を騙して利用するような悪い相手に思えなかったからだ。 人を見る目があるかどうかは別にしても、その純粋さがシンの命取りであり、 多くの人が彼に惹かれる最大の要因なのだろう。 そして、それは八雲紫も同じだった。 賢者と称えられるほどの絶大なカリスマで人妖問わず寄せ付けない彼女が、何故だかシンが相手だと本心から言葉を発している。 わざとずらした言動で相手を煙に巻くこともなく、物事の先を読みながら黙して語らずでもない。 そればかりか、博霊の巫女でもない相手を気にかけその身を気遣い、全霊を込めて奉仕しているのだ。 本当に親しい間柄の相手以外には――時には親友や自分の式にすら――決して本心を明かさない普段の彼女を 知る者からすれば、まさに想像を絶する事態だ。 シン「・・・ところで、いつまで抱きついてるつもりなんだよ。いい加減、人が来るぞ」 紫「結界を張っているから気付きもしないでしょう。私としてはずっとこうしていても問題はないのだけど」 シン「・・・はぁ」 紫「あら、これほどの美少女に抱きしめられておいてため息は贅沢よ」 シン「誰が美少女だよ。お願いだから離してくれ」 紫「えぇ~? もう少し頭を撫でさせてくれても」 シン「やめてくれよ! 頼むから」 紫「もう、つれないのねぇ。ふふ、でも十二分に堪能したし、今日はこれで勘弁してあげましょうか」 嬉しそうな、それでいて名残惜しそうな顔でシンを解放した紫。 というか、本人は満足しているが抱きつく必要はあったのだろうか? 癒すだけならずっと抱きついていなくとも・・・いや、野暮な話はよしておこう。 だが、どんなに緩んでいるように見えても、彼女はシンよりもはるかに多くの知識を蓄え 人間が及びもつかないような力を秘めている。 そのことを知っているだけに、余計にシンには納得できなかった。 シン「八雲さん」 紫 「紫で構わないわよ。どうしたの」 シン「なら、紫さん。どうして、妖怪のあんたが人間の味方をしてくれるんだ? それに、なんで自分で戦おうとしないんだ。俺を平然と押さえつけるくらい強いし、 あんなでっかいシャドウだって操ったのに・・・」 紫「・・・それに関してはまだノーコメントで許してくれないかしら。あなたが強くなった時にあらためて、ね」 シン「・・・わかった」 話したがらないことを無理に聞き出そうとする趣味はシンにはない。 それに、僅かにこぼした紫の辛そうな表情が、追求したい心に待ったをかけていた。 ひょうひょうとした彼女がそんな顔をするとは思っていなかっただけに、 聞かなければよかったという後悔の念が湧いてくる。 もっとも、すぐに胡散臭い笑顔に戻ったから気のせいかもしれないが。 紫「さて、なでなでも済んだことだし、そろそろ出発しましょうか」 シン「はぁ? 出発って何処へ?」 紫「青い扉の向こう側。あまり長く結界を張っていると怪しまれるし、次の詳しい話はそこでしますわ。 あの時渡した鍵はちゃんと持っていて?」 シン「鍵って・・・ああ、最初に会ったときあんたから渡されたあれか。まだポケットに入ってると思うけど」 紫「結構。では、一名様スキマツアーへご招待~」 シン「ちょっと待て。まさか・・・ってまたこれかよぉぉおおおぉぉぉっ!!」 恒例となりつつある空間移動に突っ込みを入れながら、シンは病室から姿を消した。 しかし、人一人が忽然といなくなったにもかかわらず、それに気づいたものは病院の関係者も含めて誰一人いなかった。 それほどまで強力な結界を張ることができながら、彼女自身が手を出さない理由はなんなのか。 シンがその本当の理由を知るのは、まだ先の事である。
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172 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2007/11/09(金) 00 34 46 ID sFzVob2v 近頃の俺は欲求不満の状態にある。 他人が欲求不満と言っていた場合、大抵の人間はいかがわしい方向の欲求であると考えるだろう。 もしくは食欲が満たされないだとか睡眠時間が足りていないという意味で受け取るかもしれない。 だが俺の場合の欲求不満はそれとは種類が違う。 創作意欲。これが満たされないのである。 友人たちの中でも知る人ぞ知る俺の趣味は、プラモデル作りである。 俺はどうやら完璧主義者のケがあるらしく、少しでも色合いがおかしかったり小さな部品が欠けている だけでも落ち着かず、結果的にプラモデルを一つ作り上げるだけでも一ヶ月は余裕でかかってしまう。 毎日毎週欠かさずにプラモデルを作っているにも関わらず、である。 そんなペースだから、一日の制限時間である24時間をもっともっと有効に活用したいと思っているし、 作業台に向かう時間もさらに増やしたいと考えている。 そこでどうしてもネックになるのが、学校に行っている時間だ。 学生――いや高校生は生徒と呼ぶのか。 ともかく生徒である以上、朝は遅刻しないよう学校へ行き、午前中の授業を受け、昼食を食べ、 午後の授業を受けなければならない。その後は俺の場合は帰宅部なので即帰宅となる。 すでにこの時点で一日の大半を消費している。大きなタイムロスである。 それからようやく、趣味である模型作りに没頭できる……とはいかない。 その日に受けた授業の内容を復習し、宿題を全て片付けなければならないのだ。 弟は俺のこんな習性を見て感心しているようであるが、俺はやりたくてやっているわけではない。 勉強が生徒の仕事だからやっている、という綺麗事を言うつもりはない。 無論、学業の重要性はわかっている。だが俺のような趣味人間は成績などさほど重要視しない。 だというのになぜ俺が月曜から金曜までまじめに勉強をしているのかというとだ。 これも困ったことに俺の性格がそうさせているのである。 たとえば、俺が宿題をせずに模型作りを始めたとしよう。 宿題という己の身に課せられた使命を無視した場合、プラモデルの出来がひどいものになる。 著しく見られる傾向としては、技が雑になる。簡単に言えば手元が狂いやすくなる。 面相筆(塗装に使う筆のうちで最も細い筆)で溝にスミ入れをやったらラインを外す。 スプレーを使って塗装していたら吹きすぎて塗料を垂らしてしまう。 ニッパーでクリアーの部品を切り取っていたら力加減を誤ってヒビを入れる。 普段ならば絶対にやらない単純なミスをことごとく繰り返してしまうのだ。 その症状が、復習と宿題をきっちりやり終えた後であればいつもの調子に戻ってしまう。 おそらく――いや、これしか考えられないが、俺は心残りがあると集中できない性格らしい。 その事実を知ってから、今のように模範的な高校生の行いをするようになったのである。 ちなみに、復習と宿題が終わるのは早くて夕食前の七時ごろ。遅かったら九時になる。 それから風呂に入ったり、弟から要請があったら勉強をみたり、妹の殺意混じりの瞳を受け流したりして、 ようやく模型作りを始めることができる。 しかし。しかしである。 我が家には最大の敵、血の繋がった兄の子を産んだアウトローの母がいる。 母は俺がプラモデル作りをすることをよしとしていない。 母はシンナー系の匂いを苦手にしているのだ。 俺が部屋に篭っていると、母は防塵マスクを装着してまで部屋のドアをノックして邪魔をする。 作業中のノックの音は著しく集中力を乱す。母も当然それをわかっているのだろう。 もちろん俺も母が邪魔をしてくる状況に手をこまねいているわけではない。 廊下にラッカー塗料(ラッカーはシンナーの匂いがきつい)を魔除け代わりに置いて対抗している。 俺の部屋には換気扇があるが、廊下には換気扇など設置していない。 塗料を置いている間だけは母は近づいてこないのである。 しかし、いつまでも置いておけるわけでない。 父と弟と妹からも苦情が来るため、頃合いを見計らって塗料を回収しなければならないのだ。 母が邪魔をしにくる。俺が塗料を置く。家族からの苦情を受けて塗料を回収する。 おおまかにはこんなサイクルで俺と母の戦いは行われている。 このように、家庭における俺の創作環境は理想的とは言い難いものなのである。 173 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2007/11/09(金) 00 36 17 ID sFzVob2v そんなわけで、普段から軽い欲求不満にある俺であるが、最近はとみに機嫌が悪い。 現状は何の障害もなく創作できる環境にあるのに、周囲の人間の協力が得られない状態である。 学校全体が何らかの物作りを行っているというのに、俺の周りの人間は無気力な野郎女郎ばかりで、 物作りなどよりその日の昼食の方が大事らしく、協力が得られない。 ちくしょうめ。文化祭開催の一週間前なのに、どうして俺のクラスはやる気がないんだ! ***** 「先生。新しいアクセサリーの提案があるんですが」 「却下します。もう文化祭の予算に余裕はありません。作るのなら自腹で作ってください」 「じゃあテーブルに置く小物なんかどうですか。さすがにテーブルクロスだけじゃ味気ないと思いません?」 「思いません。必要なものは小説本くらいです。余計な装飾は読書の邪魔になります。 大人しく本を読んでいてください。喫茶店を成功させるためには皆が本を読むことが必要です。 店員は文学についての最低限の知識を持っていないといけません」 そう言って、我がクラスの担任の国語教師は手元にあるハードカバーの本に視線を落とした。 ああ、今すぐ両手でハンマーを作ってこの独身女教師の無防備な後頭部に打ち下ろしたい。 もちろんやらないけれど、誰かのGOサインがあればそいつに責任をなすりつけて実行しかねない。 それほど今の俺はイライラしている。 なぜ俺が大正時代の小説家の本など読まねばならん。 何が楽しくてうちのクラスが文化祭で純文学喫茶を催さなければいかんのだ。 純文学喫茶とは、漫画喫茶の純文学バージョンである。命名は担任。 なんとも安直なネーミングである。もう少し頭をひねってくださいこの三十路越え独身教師。 色気が足りません。もっと遊んでください。 そんなんだから「活字と結婚した女」なんて噂が流れるんですよ。 落ち着いた雰囲気がいいとか、葉月さんが成長したらこうなるだろう、とまで生徒の間で噂されるほど 容姿がいいくせに、どうして毎日セーターとジーンズとスニーカーなんて組み合わせなんですか。 もったいないにも程があります。宝の持ち腐れとはあなたに一番ふさわしい言葉ですよ。 たまにはスーツぐらい着たらどうです。シャツの胸元を少し開くぐらいなら許されますよ。――年増でもね。 「どうかしましたか? まだ何か提案でも?」 提案しても即却下するくせに。 「……なんでもないです。戻ります」 回れ右をして、教壇から下りて自分の机――を合体させている机の集合体へと戻る。 クラスメイトと机を合体させているのは、文化祭の準備作業をするためである。 しかし、うちのクラスはすでに小道具の用意を終わらせているので、小説本を読むぐらいしかやることがない。 俺にとってはなにもしていないのと同じである。 自分の席の上には、大正時代に活躍した小説家の書いた本が置いてある。 読む気がゼロであるため、当然ページは開いていない。ただの机のオブジェである。 ただでさえ文学に興味がないというのに、なんたら喫茶を成功させる目的で読むわけがなかろう。 机に左腕を立てて、顎を乗せる。そしてため息をひとつ。 向かいの席に座っている女子生徒が、本に落としていた視線を俺に向けた。 入学当時から美しい容姿を持ち、今では一年の頃よりずっと綺麗になった葉月さんである。 「おかえり。どうだった……って聞くまでもなさそうだね」 「うん。せっかく葉月さんに考えてもらったんだけどさ。作るのなら自腹でやれ、だと」 「自腹かあ……私が出そうか?」 「いやいや、さすがにそこまでは――」 その時、唐突に視界がぶれた。 自分がクラスメイトに殴られたと気づいたのは、こめかみから脳天へ突き抜ける痛みのピークが通り過ぎてからのことであった。 「葉月さんが出すんなら、俺もだす!」 「俺もだ。ただ喫茶店をやるだけじゃ面白くないからな」 「せっかくだから、新しい衣装を買おうぜ! そしたら葉月さん、着てね!」 同じ机の集合体を形成していた野郎どもの野太い声が遠くから聞こえてくる。 それは俺の聴覚が狂っているからであって、男どもとの距離が離れているからではない。 どいつもこいつも勝手なことを。秋でも汗の臭いがしそうな貴様らにつきまとわれたら葉月さんが困るだろうが。 174 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2007/11/09(金) 00 38 05 ID sFzVob2v 葉月さんへと視線を向ける。葉月さんは俯きながら何か呟いていた。 「よくも……殴…………ね。切り裂い……次に窓から…………投げ……捨て……」 おや、チキチキという音が聞こえてきたよ。 この音はカッターの刃を出す音に似ているね。 なんだか、葉月さんの垂れた前髪から覗く目がギラギラと光っている。獲物を発見した肉食動物の如し。 葉月さんが立ち上がった。彼女の右手から飛び出している物はカッターナイフの刃。 蛍光灯の光を鈍く反射する刃には等間隔で斜めに切り込みが入れられていて菱形のそれぞれに 殺意が宿っているかのようで――いかにも危険で流血沙汰の事態を招きそうだっ! 「まずは耳を――」 「葉月さんっ!」 机の上に身を投げ出して葉月さんの右手を掴む。 「痛っ!」 距離がありすぎた。葉月さんの手と一緒にカッターの刃を掴んでしまった。 だがこれでいい。クラスメイトの命の灯火を消すよりは俺の手の皮が切れた方がマシである。 「あ、あれ? どうして私の手を掴んでるの?」 皮膚を圧迫していた殺気が霧散した。葉月さんの瞳はすでに明るい色を取り戻していた。 「ああ、実は蚊が止まっていたから、ついね。ほら、血が」 血の付いた手の甲を葉月さんに見せる。手のひらは到底見せられる状態ではないから。 「えっ……ちょっと、大丈夫なの?」 「平気平気。ちょっと洗っておけば問題ないよ」 「そう? なら、いいけど……ありがとう」 「いやいや。それより、アクセサリーの件はなしで。俺の勝手でみんなに金を払わせるわけにはいかないよ」 「えー……」 葉月さんはしょぼんとした顔のまま、上目遣いで見上げてきた。 葉月さんがやると恐ろしい破壊力である。さっきまで攻撃色に染まっていたとは思えない。 「あー……また来年もあるから。その時でもいいよ。俺は」 「わかった。でも、やりたくなったら言ってね? いつでもいいからね?」 「覚えとくよ」 教室から出てトイレへ直行する。蛇口をひねり、握りしめていた手を開く。 傷口からあふれ出した真っ赤な血は握っていた手の隙間に染みこみ、手のひら全体を紅く染めていた。 よく見てみると、薬指と小指の関節が軽く切れていた。 軽く指を動かす。うむむ、やっぱり傷口まで開くな。 「こりゃ、保健室に行った方がいいかな」 そうだな。どうせ教室に戻っても読みたくもない本を読むか、寝るかしか選択肢がないんだから。 今から保健室に行って治療ついでにさぼってしまってもいいだろう。 水に浸したハンカチで血を拭い、傷口を押さえながら保健室へ向かう。 俺の所属する二年D組は三階建て校舎の二階の奥にある。 D組から保健室へ向かう際には、どうしても他の教室の前を通ることになる配置である。 文化祭一週間前ともなると、校舎のいたるところにポスターが貼られている。 合唱、演劇、お化け屋敷、喫茶店、ジュース販売、映画上映などなど。 ポスターは手作りであるがゆえに、生徒が楽しんでいることを感じさせてくれる。 我ら二年D組のポスターは生徒ではなく、書道五段の担任が作成した。 担任が自分が作ると言って聞かなかったのである。 結果、『純文学喫茶』と力強くでかでかと書かれた文字と、『場所:校舎二階奥』と小さく書いてあるポスターができた。 しかし、これはもはやポスターではない。書道の先生が書いた習字のお手本である。 文字が書いてあるのは画用紙ではなくぺらぺらの和紙。達筆の文字は恐ろしく上手。 ここまでやれば、ある意味で威勢の良さを感じさせてくれる。 もしかしたら担任は担任なりに文化祭を楽しんでやろうと考えているのかもしれない。 しかし、できるなら生徒も楽しめるように気を配って欲しかった。 175 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2007/11/09(金) 00 40 51 ID sFzVob2v そもそもだ。二年D組は純文学喫茶をやるつもりなどなかったのである。 事が起こったのは今日からさかのぼること二週間前、その日の帰りのHR。 あの時、白熱した出し物議論は『コスプレ喫茶』と『演劇』にまで絞られていた。 俺はどちらでもよかった。コスプレ喫茶でも演劇でも、服や装飾品、飾り物などは作り放題だから。 うちのクラスには葉月さんがいるから、なにをしようと観客来客満員御礼間違いなし。 いつまで経っても出し物が決定しなかったので、投票で決めようという流れになったころだ。 教室に入ってきた担任が言ったのである。 『二年D組は純文学喫茶をやることになりました。すでに実行委員にも伝達済みです。 皆さん、長の会議お疲れ様でした。今日はもう帰っていいですよ』 あの時のブーイングの嵐はすさまじいものだった。 しかし、撤回しろという生徒の声は、担任のもう受理されましたの一言で全て蹴られた。 横暴もいいところである。美人なら何をしても許されるとでも思っているのであろうか。あの年増は。 十代の葉月さんよりも干支が一周する年数以上に年が離れているくせに、よくもやってくれたものである。 おかげでクラスメイトのやる気は削がれ、ここ二週間はダウナーな空気が常にD組を覆っている。 これはパワーハラスメントではないだろうか。校長かPTA会長に直訴したら勝てそうな気もする。 だが、気力ゲージゼロのクラスメイト達はすでに担任と争う気を無くしてしまっている。 どうせ逆らっても無駄だ。ならせめて葉月さんの着物ウェイトレス姿を楽しもう……という意識が 最近の皆の心をかろうじて文化祭へと向けさせているようである。 まあ、俺も楽しみだけど。葉月さんの着物姿。 当日の写真撮影は許可すべきだな。ただしシャッター一回につき100円で。 出し物のお茶やお菓子よりそっちの方が儲かりそうだ。 そうだ。葉月さんと言えば。 「好きだって言ってたよな。俺のこと……」 葉月さんが妹と俺を相手に我が家で大立ち回りをした日に、俺は彼女と電話番号とメルアドを交換した。 その日の夜に、葉月さんからさっそく電話がかかってきた。 嬉し恥ずかしの初通話は、葉月さんがやけにどもったり噛んだりするせいでわけのわからないまま終了した。 どうやら葉月さんは電話器を通して会話するのが苦手らしい。 以後、葉月さんとのやりとりはメールで行うことになった。 告白の返事を催促するようなメールは来ないが、それ以外のメールはたくさん送られてくる。 朝の挨拶から始まり、今日の天気や星座占いの結果などを教えてくれる。 葉月さんとメールのやりとりをするようになってから俺はかなり浮かれている。 最近の俺の様子は、弟曰く「兄さんは放っておいたら何も無いところで転びそうに見えるよ」。 転びそうなのではない。時々、本当に転んでいるのだ。最近の俺の行動はドジそのものだ。 油断したら電信柱にぶつかりそうになるし、階段は踏み外しそうになる。 憧れの女の子からのメールで俺はここまで腑抜けになった。 ため息を吐きたくなるぐらい、本当に腑抜けなのだ。まだ葉月さんに告白する勇気がない。 告白したらOKをもらえることは確実だろう。だけど、分かっていてもそれができない。 きっと、葉月さんは俺からの告白を待っている。 登下校時や休み時間に俺と一緒にいようとするのは、そういうことなんだろう。 そして、葉月さんから再度告白してくることは多分無い。 「女の人からの告白ではOKを出せない」と俺が言ったからだ。 面と向かっても、メールでも、告白する勇気がない。 どうしたらいいのだろう。こんなことは誰にも相談できない。 弟や父には恥ずかしくて言えない。学校の男子に言ったら袋だたきにされることは必至。女子は論外。 なるべく早いうちに、その場の勢いでもいいから、何とかして言わなければ。 ――葉月さんが俺に愛想を尽かすその前に。 176 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2007/11/09(金) 00 42 07 ID sFzVob2v 考えているうちに保健室に到着した。授業中だから保健の先生もいるだろう。 そういえば、保健室にくるのは身体測定の時以来だ。 頑丈に産んでくれたことに関しては両親に感謝すべきだな。 一応、礼儀として三回ノックする。……反応はない。誰もいないようだ。 「失礼します」 引き戸を開き、保健室へと踏み込む。 かすかに薬品の匂いを漂わせた保健室には誰もいない――はずなのだが。 「あ、先生。すいませんけどちょっと手伝って……あれ?」 いた。椅子の上に。見知らぬ女子生徒が。 女子生徒は着替えをしていたわけではない。だが、なんとなく気まずい。 妹が体重を量っている現場に出くわしたような微妙な空気だ。 彼女は、どういうわけなのか俺の顔を見て固まっていた。 しばらく見つめ合っていると、彼女は何か思いついたように口を大きく開けた。 「あ、あなたは……!」 何かに驚いた様子であった。俺の顔におかしい部分でもあったのか? 「初めまして。アタシ――――」 女子生徒は笑顔を浮かべた。換え立ての蛍光灯のように眩しい笑顔であった。 そこには一切曇りが無く、無垢であるが故に脆さまで含んでいた。 だから俺は――保健室のドアを勢いよく閉めた。 「あ、あれ? あのー、先輩? なんで出て行くんですか?」 扉の向こうにいる女子生徒が何か言っている。 ――なんだ、あの子は。やばい。どれぐらいやばいかというと、葉月さんぐらい。 いや、妹に詰め寄ったときやクラスメイトにカッターを向けようとしたときのやばさじゃなくて。 そういう暴力的なものでなく――容姿が、レベル高すぎる。 どうしよう。逃げたい。なぜか顔を合わせたくない。けど、もう一度だけ見てみたい気もする。 違うんだ。別にあの子に一目惚れしたわけじゃなくって。 怖い物見たさに似た、興味本位によるものであって。 だいいち俺は葉月さんが……でもあの子をもう一目見たいし。 「ああ、ちくしょう! どうすればいいんだっ!」 「……あの、大丈夫、ですか?」 「はうっ!」 頭を抱えた状態で天井を見上げていたら、女の子から話しかけられた。 おそるおそる視線を下ろすと、そこには俺より背の低い女の子の上目遣いがあった。 「どこか具合でも悪いんですか?」 「あー……うん。実はちょっと怪我をしてね」 右手を差し出すと、女の子が両手で掴み注意深く見つめてきた。 駄目だ、ときめくな俺! 「指がちょっと切れちゃってますね。絆創膏貼らないと。中に入ってください」 「いや、これぐらいなら平気だから。だから、だから……」 手を離してください、と言いたいのに言えない。 むしろもう少し握っていてくださいとか言い――たくない! 言わないからな! 女の子は俺の腕をぐいぐい引っ張り、保健室の中へと引きずり込んだ。 保健室の空気は女の子がいることで様変わりしていた。 まるで赤白黄色の球根から生えるユリ科の植物の咲きほころぶ幻想的な庭園の光景を思わせて――。 「いるわけがないだろうが!」 「ひゃっ?! ど、どうしたんですか、突然?」 「……ごめん。ちょっと疲れてるみたいだ。中で休ませてもらっていいかな?」 「ええ。私は構いませんけど」 177 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2007/11/09(金) 00 43 13 ID sFzVob2v 許可をもらい、ベッドの方へ行こうとしたら、女子生徒に腕を掴んで止められた。 「……なに?」 「休む前に、やっておかないといけないことがあるんじゃないですか?」 なんだって?俺が、やっておかないといけないこと? 見知らぬ綺麗な女の子と保健室で二人っきり。ナニをする気なんだ? 授業中とはいえ誰かが来ないとは限らない。 保健の先生は留守。だけどひょっこり戻ってくるかもしれない。 いけない。この状況はリスクが高すぎる。 やるんなら放課後とか誰もいない教室とか――って、また変な方向に考えが行ってるぞ! 落ち着け俺のMy脳ブレイン! 「たしか、アレはこのへんに……」 女の子はがさごそと保健室の棚を探っている。 アレってなんだ。わからない。自分が立っているのか座っているのかもわからない。 女の子の髪の毛は肩に触れない程度の位置でカットされている。チラチラ見えるうなじが何とも色っぽい。 学校指定の女子専用制服はどういうわけかミニスカートである。 そのため目の前の女の子もミニスカートであり、丈の長さの影響で健康的なフトモモの裏側が、 俺の位置からはばっちり見えてしまっている。 スカートから伸びた太ももは膝へ向かうにつれて少しずつしまっていく。 足のラインはふくらはぎのわずかな膨らみを通り過ぎると細い足首で収束する。 むっちりと肉感的でありながらも無駄のない、正真正銘の美脚であった。 女子生徒はスカートを翻しながらターンすると、俺の方へと歩み寄ってきた。 「やっぱりこれ、ありました。これがあればもう安心ですよ、先輩」 「ぁぁ……ぅん」 ドキドキして女の子の顔を見られない。いったい彼女は何を探していたのであろうか。 「それじゃ、ちょっとそこの椅子に座ってください」 軽やかなソプラノの声は俺を丸椅子へと導いている。俺の腰は操られているようにそこに下りていく。 女の子は手近にある椅子を持って俺の前へやってくると、椅子に腰を下ろした。 行儀良く揃えられた膝の隙間とスカートが組み合わさり、そこに三角形の空間ができた。 ちょっと背筋をのけぞらせれば中身が見えてしまいそうである。 もちろんやらない。やりたいなんて思ってないぞ! 「それじゃあ、出してください」 どくん。 「だ、出すって……?」 何だ?一体この子は何を出せと言っている?俺に何を要求しているのだ? 「さっき見せたじゃないですか。もう一回見せてください」 「……いや、何も見せてないよ」 数分前のことすら思い出せない精神状態であるが、アレを出していないのは確かだ。 さすがにそんなことをしたら嫌でも記憶に残るはず。 「もう。じゃあいいです。アタシが勝手にやりますから」 なっ――! 「……じっとしてて、くださいね。せんぱい……」 「ぁ……………………」 声が出ない。口がぱくぱくと空回りするだけだ。 まさかこんな場所で、高校の保健室なんて場所で。 女の子が俺の手を優しく握り、冷たくて柔らかいものを擦りつけてきた。 その動きが止まると、今度は指を柔らかいもので包み込まれた。 ごめん、葉月さん。君に何の返事もしないまま、こんなことを――――。 178 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2007/11/09(金) 00 44 57 ID sFzVob2v 「よっ……と。はい、できましたよ先輩」 「……」 「あの、先輩……?」 「本当はこんな場所でやるつもりじゃなかった……。 両親と弟と妹が出かけた日の夜、薄暗い部屋の中で月明かりを頼りにしながら俺は……」 「聞いてた話とずいぶん違うなあ。……仕方ない。ここはひとつ……」 「はやる気持ちを抑えながらひとつひとつボタンを外していき、あらわになったその景色へと手を伸ばし……」 「先輩、失礼しますっ!」 ――あれ?なんでそんな怖い顔をしてるの?え、だめ?いや、ここまで来てそれはないでしょう。 ん?その構えはなんだかビンタのような――――。 「ていっ!」 「痛ぇっ! ――何するんだ! そりゃ初めてだったけどなるべく焦らないようにして……ん、あ、あれ?」 ここは、どこだ?俺はさっきまで自室で天国を味わっていたはずではなかったか? 「目が覚めましたか? 先輩」 正面には可愛い女の子。彼女は椅子に座っている。その点はさっきまでいた世界と同じだ。 しかし、今俺が居る場所は薬品の収められた棚や白いベッドの置いてある保健室である。 俺はどうしてこんなところへ来てしまったんだろう。 ああ、指を怪我したから、その治療をしに来たんだったな。 指を怪我した箇所は、右手の薬指と小指だったはず。 右手を見る。茶色の絆創膏が怪我をした二本の指の関節部分に貼ってある。いつのまに貼ったんだろう。 右手を見ながら記憶を掘り下げていたら、女の子が怪訝な様子で話しかけてきた。 「先輩が手を出してくれないから、勝手に絆創膏を巻いちゃいました。別に構わなかったですよね?」 「あ? ああ、うん。ありがとう……」 そうか。この子は手当をしたいから「(手を)出してくれ」と言っていたのか。 ま、そりゃそうだよな。 普通――この子の容姿は普通の可愛さではないが――の女の子が初対面の相手にいかがわしいことを 要求するはずがあるまい。俺は何を勘違いしてたんだか。 「ところで先輩。保健室に来たのは指だけじゃなくて体の具合も悪かったからですか?」 「いいや。指を怪我したから来ただけだよ」 本当はさぼるつもりでもあったのだが、そうは言わない。 だって、言ってしまったらまたこの子と同じ部屋の中で過ごさなければいけなくなる。 さっきのような落ち着かない気分は失せ始めたが、名前も知らない女の子と二人きりというのはどうも苦手だ。 早くこの場を去るに限る。 「手間かけさせてごめんね。それじゃあ……」 椅子から立ち上がり軽く右手を振る。そしてきびすを返して保健室の出口へと向かう。 ドアに手をかけたとき、異変に気づいた。やけに腹が苦しい。 下を見ると、ベルトが腹に食い込んでいた。もちろん、いきなり俺のウエストが増したわけではない。 「先輩。ちょーっと待ってくださいよ。教室に戻るんだったら、ついでに手伝ってくれません?」 いたずらっぽい笑みを顔に貼り付かせた女の子が後ろから俺のベルトを引っ張っていたのである。 その笑顔にまた心臓が脈打ったのは俺のせいではない。 この子が可愛いのが悪いのである。 葉月さんは生徒はもちろん教師までもが認める美人である。 彼女がいるだけで周囲に凜とした空気があらわれ、周囲もそれに流されてしまうような、 そんな類の美しさを彼女は持っている。 対して目の前の少女は、小さい女の子の持っている未成熟さからくる可愛さをそのまま残したような容姿をしている。 彼女を見ていて背徳感を覚えるのはおそらくそれのせいだろう。 葉月さんとこの少女、どちらを彼女にしたいか決をとらせたら、かなりいい勝負をくりひろげるのではないだろうか。 179 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2007/11/09(金) 00 47 10 ID sFzVob2v そんなわけで、この少女から手を貸して欲しいと言われたからには、無下に断るのもなんだかもったいない気がする。 話だけでも聞いてみるか。 「何を手伝ってほしいって?」 「ちょっと捜し物をしてたんですけど、なかなか見つからないんです」 「捜し物? 保健室で捜すってことは、包帯とか?」 「違いますよ。あれです、あれ。たしか、クロ……なんとか」 「くろ?」 名称の頭二文字に『くろ』がきて、それでいて保健室に置いてあるもの。 何だろう。白いものなら保健室中に大量に置いてあるが。 「どんな形をしてるかわかる? そのクロなんとかの特徴でもいいけど」 「えっと、多分液体です」 「液体か。液体ね……消毒液じゃないの?」 「いえ、そうじゃなくって、治療に使うものじゃないんです」 「はい?」 保健室に来てまでして捜す物が治療に使う物でないと? 「なんか麻酔に使われているものらしいから保健室に置いてあるんじゃないかと思ったんです」 「麻酔って……誰か重傷でもしたの? それなら119番に電話した方がいいよ」 「いえ、誰も怪我はしてないです。……それに救急車がに学校に来てもらったら困るし……。 とにかく、アタシが捜している物はクロなんとかって名前で、液体で、麻酔みたいなものなんですよ」 「あー、ちょっと待って。頭の中を整理するから」 左手で女の子のセリフを中断させ、右手で自分の頭を抱える。 この子は一体何をしようと考えているんだ?麻酔なんか捜して一体どうする気だ? それに、救急車が来てもらったら困るとも言っていたな。救急がいたらまずいことでもあるのか? まさか、その麻酔を使って何かまずいことでもしようとしているんじゃないだろうな。 嫌な予感がするぞ。我が家の異常な環境によって鍛えられた勘が、頭の奥の方で何か叫んでいる。 警告だ。妹に包丁を持たせたときや母が父のために特別メニューを作っているときに鳴る警告音が、 頭の中で少しずつ、しかし確実にその音を大きくしていく。 この警告の意味は、その場から逃げろ、その状況に関わるな、だ。 くろ、黒、クロ。これが先頭に来る麻酔の一種。 ――もしかして、アレか?いや、さすがにそれはないだろ。 しかし、先頭がクロの麻酔と言ったらアレしかない。 「あ、思い出しました先輩! クロロホルムです、クロロホルム! ほら、よくドラマとかで布に染みこませたクロロホルムをかがせて気絶させるシーンがあるじゃないですか! アタシあれと同じ事を先輩の――――、ってなんで離れるんですか?」 「いやなに。そろそろ教室に戻らなくちゃやばいかなと思ってね」 嘘である。担任(独身、♀)に怒られるよりも目の前にいる少女に関わる方がずっとやばい。 彼女は俺が生徒だったからあっさり捜し物の用途をばらしたのだろう。先生相手であればばらさなかったはず。 思っていたとおり、彼女の捜し物はクロロホルムだった。 そして用途は誰かを気絶させるためである、と。 標的が俺でないのはありがたいが、このままでは学内にいる生徒の身に危険が及ぶ。 「あのね、君」 「いいながら後ろ手にドアを開けないでくださいよ。なんですか?」 言わねばならない。俺が見知らぬ少女の魔の手から見知らぬ生徒を守るんだ。 「……クロロホルムを嗅がせても人間は気絶しないよ」 俺がそう言ったら、女の子は目を大きく広げて声を張り上げた。 「ええ!? だって、ドラマだけじゃなくて漫画でもあんなに……」 「そりゃあずっと嗅がせ続けたらわからないけど、少し嗅がせたくらいじゃ体調を悪くする程度の効果しか 与えられない。やめといたほうがいい。人を気絶させていたずらしようなんてよくないよ」 「そんなあ……せっかく上手くやれる方法を見つけたと思ってたのに……」 180 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2007/11/09(金) 00 48 48 ID sFzVob2v 女の子は俺の言葉にショックを受けたのか、白い壁に身を任せていた。 今なら、逃げられるか……? 「うう。それなら、それなら……先輩!」 女の子は唐突に眠りから目を覚ました猫のような動きで頭を上げ、俺を見た。 「手伝ってください! クロロホルムが駄目なら、先輩の助けが必要です!」 「いや、だからさ」 「先輩の口添えがあれば絶対にあの人は策にはまってくれます! だから、お願いします!」 さっきからこの子は何を言っているんだ? 俺の助けが必要? 「もしかして、君は俺の知り合いをどうにかしようと?」 「……そうです。けど、決して怪我させたりすることはありません。信じてください」 お願いします、と言って女の子は頭を下げた。 犯罪行為の手助けをしてくれとお願いされてもな。手伝うわけがないではないか。 俺が手伝えば成功させられるということは、俺がいなければ失敗するという意味なのか? ――だったら迷うことはない。 「ごめんね。頼まれごとをされるのは嫌いじゃないんだけど、そういう手助けなら話は別だ」 「そんなあ……」 「ほんとにごめんね。それじゃ!」 「あ、ちょっと待って……」 何か言おうとした女の子の言葉を遮り、保健室から出てドアを閉める。 競歩の足運びで2年D組の教室へ向かう。後ろから女の子が追ってくる気配はない。 俺が自分の教室に入った途端、本日最後の授業が終了したことを告げるチャイムが鳴った。 ***** そしてHR終了後。 担任は大小様々な小説本を両手に持って出ていった。 担任の持って行った本は、クラスメイトが文化祭の出し物に使うために自宅から持ち込んだものである。 四十名のクラスメイトが持ってきた本は、担任が毎日少しずつ自宅へお持ち帰りしている。 本人は本の内容が不適切なものでないか確かめるためだ、と言っている。 しかし、その行動が文化祭を成功させようという意志の元に行われていないのは明白である。 きっと、あの独身女は本が読みたいだけなのだ。 俺はこう思う。担任は生徒から本をかき集めるためだけに純文学喫茶などやらせようとしたのではないかと。 私利私欲による職権濫用。許し難い行いである。 教育機関に駆け込んでやりたいところだが、あいにく俺は両親が異常であるため強く出られない。 もし両親のことに首を突っ込まれたら、それこそ我が家崩壊の危機だ。 今まで隠し通してきたものを、たかが担任の蛮行ごときで日の当たる場所へさらけ出すわけにはいかないのである。 181 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2007/11/09(金) 00 51 52 ID sFzVob2v 鞄を持って席を立ったとき、弾んだ声が俺の名を呼んだ。 声のした方を見ると、手提げ鞄を腰の後ろに回した葉月さんが、横からやってきていた。 「ねえ、今日は何か用事がある?」 葉月さんはご機嫌な様子である。待ち望んでいたおやつをようやく与えられたときの子供のようにも見える。 「いいや。今日もいつも通り何も用事はなし」 「じゃあ、じゃあさ。今日もいい……かな?」 頬を若干紅く染めて、葉月さんが上目遣いを繰り出した。 むう。真綿でじわじわと胸を締め付けられる感覚。甘い痺れが体の奥から湧き起こってくる。 今の会話だけを抽出するとなんだか色気のある会話であるが、どっこいそんなことはない。 「もちろんいいよ。帰ろうか、葉月さん」 「う、うんっ!」 俺が歩き出すと、葉月さんは早足で近寄り、俺と肩を並べた。 教室を出て行く寸前、ちらりと後ろを振り返る。 そこには獲物を狙う野獣のようなクラスメイトの視線があった。 男が俺を恨むのは分かる。 ついこの間まで地味で目立たなかった俺が人気者の葉月さんと仲良くしていたら、不機嫌になって当然だ。 俺が彼らと逆の立場だったとしても不機嫌になるはずだから。 女子生徒も男子生徒と同様、いやむしろ彼ら以上に恐ろしい目で俺を見ている。 彼女たちも男子生徒と同じく、葉月さんと仲のいい俺を快く思っていない。 同胞のクラスメイトからそんな目で見られては、普通は萎縮してしまうだろう。 だが俺は違う。俺はもっと恐ろしい、妹の瞳に日常的にさらされている。 加えて最近のクラスメイトからの無言の圧力によって俺の精神力はさらに上がっている。 学校プラス家庭での責めは、俺を少しずつ強くしているのだ。 だから、クラスメイトの視線をスルーしてそのまま教室を後にすることだってできるのである。 玄関で上履きから靴へ履き替えて、葉月さんと一緒に校舎を出る。 秋の深まりを感じさせる空気の中を、看板やはしご、ビニール袋を両手に持って歩く生徒の姿があった。 「みんな忙しそうだね」 「うん……」 彼らの姿を見ていると、自分が損をしているような気分になる。 文化祭に意欲的なクラスならば、今は準備に大忙しの時期だろう。 しかしうちらの2年D組は先週の時点で喫茶店で使う本を収める本棚の運び込み、テーブルの確保、 男女それぞれが着る着物の用意、お茶やお菓子の注文数決めなどをあらかた終わらせてしまった。 今はクラスの文化祭実行委員がぼちぼちと仕上げを進めている段階だ。 楽と言えば楽だが、楽すぎるのも問題だ。暇すぎるのである。 182 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2007/11/09(金) 00 55 04 ID sFzVob2v 「ねえ、ちょっと行きたいところがあるんだけどいい?」 「別に構わないよ。どこに行くの?」 「ケータイショップ。ちょっと欲しいストラップがあって」 「へえ。どんなやつ?」 俺がそう言うと、葉月さんは人差し指で空中に何かを描いた。 「えっとね。形はハートマークをしてるの」 ほほう。なかなか可愛らしい趣味をしていらっしゃる。 男の俺の携帯電話にはとてもつけられるない。 「それでね、その……欲しいストラップはね、二つセットになってるの」 「へ…………え?」 さっ、と顔から熱が引いた。 「ピンクとライトブルーの二色でね。限定販売のやつだから、他に売っているものとは絶対にかぶらない 五桁の番号が両方に彫ってあるの」 「……つまり、おそろいのものってわけ?」 「そう。だからあ、だから……ね?」 葉月さんが携帯電話を取り出して俺の前にかざした。 ちなみに、俺の携帯電話と同じ機種である。最近になって突然買い換えた、と葉月さんは言っていた。 同じ携帯電話と同じストラップ。それらが意味することはつまり。 「片方のストラップ、つけて欲しいなあ?」 首を右斜め三十度に傾けつつ心臓麻痺レベルの笑顔を浮かべる葉月さん。 どうしよう。ストラップの用途を予想できた時点でやんわり断ることを考えていたのだが、 こんな笑顔を見せられては断るに断れない。 「私は青が好きだから、ピンクの方、つけてくれるかな?」 なに、ピンクだと? よりによってあんな淡い恋心の象徴であるかのような色をしたストラップをつけろと言うのか!? どうする。どうしよう。どうしたらいい。 「どうかな? だめ?」 「う、うう、……うむむ……」 他ならぬ葉月さんからの頼みだ。できることなら聞き入れてあげたい。 しかし、おそろいの、しかもピンクのストラップだぞ? 携帯電話を取り出す度にチラチラと見えてしまうではないか。 恥ずかしいからと外してしまったら、俺のことだからどこかになくしてしまう可能性もある。 ストラップを外している携帯電話を葉月さんが見たらどう思う?――傷つくに決まっている。 葉月さんの心が傷つくついでに、もしかしたら俺の体にまで消えない傷がつくかもしれない。 「お、俺は……」 ピンクのストラップを選ぶのか。それとも紅い鮮血を選ぶのか。 「だめかな……つけて、欲しかったのに……ぐす」 ああ、ああ、あああ。葉月さんが泣きそうだ。 綺麗な瞳。しみひとつない頬。あそこに涙が伝ったらそれはそれは美しい光景であろう。 だが、泣かせてはだめだ。もう、葉月さんの要求を呑むしか――ない。 183 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2007/11/09(金) 00 56 21 ID sFzVob2v 意志を固め、口を開けた瞬間であった。 「あ! いた!」 突然の女子生徒の叫び声。 何事かと振り向くと、見知らぬ女子生徒が俺を指さしていた。 保健室で会った女の子とは違う。あの子と比べたらこの子は地味な印象しかない。 「えーと、なんて名前だっけ。……まいいや。先輩! 大変です!」 なんと失礼な。ツッコミを入れてやりたいが、葉月さんの手前、とりあえず我慢する。 「何が、あったの、かな?」 怒りを抑え、顎の筋肉を引き攣らせながら言う。 女の子は緊張を隠さないまま、俺の言葉に応えた。 「先輩の弟さんが、廊下で倒れてて! それで今保健室に連れ込まれたんですよ!」 「はあっ!?」 弟が倒れた?!あいつに貧血の気はなかったはずだぞ。 女子生徒の言葉を聞き、女子生徒の死角に移動して両手を伸ばそうとしていた葉月さんもさすがに驚いたようであった。 「ちょっと、大丈夫なの? どこか怪我とかしてなかった? 手当はしたの?」 「どこも怪我はしてなかったみたいですけど。一応ベッドには運んだけど、まだ目を覚まさなくって……。 どうしよう、……どうしよう。もし彼に何かあったら、私……」 「そうね。一大事だわ。私の義弟のピンチよ!」 「行こう! 葉月さん!」 返答せず、少しの時間すら惜しむかのように葉月さんは駆けだした。一瞬を置いて俺も続く。 どんどん俺との距離を開けていく葉月さんを追いながら、俺はある可能性を思いついた。 保健室。あそこで出会った見知らぬ可愛い女子生徒。 彼女が気絶させようとしていたのは、もしかして――弟なのか? いや、まだわからない。だけど、どうしてもあの子のことが頭から離れない。 一体彼女は何者だ?弟のなんなんだ? いや、何者でもいい。今の俺が願うことはこれだけだ。 ――無事でいてくれ、弟。 184 :ヤンデレ家族と傍観者の兄 ◆KaE2HRhLms :2007/11/09(金) 00 59 14 ID sFzVob2v ***** どうしてあなたはそんなに飾らずにいようとするのだろう。 なぜその魅力を使い、アタシを惑わそうとするのだろう。 アタシの正体を知っていて、それでもあなたはアタシに対する態度を改めなかった。 構わないで、慣れているから。 そう言ったのに、あなたの耳には届いていなかったのだろうか。 それとも、あなたにとってはアタシの正体なんてどうでもいいものだったの? だから、いつまで経ってもその目の色が変らなかったの? アタシが、あのいやらしい目つきをした教師と話をしているとき、苦手な先輩と話しているとき、 決まってあなたが話に加わってきた。 嬉しかった。嬉しかったけど、怖かった。 いつか、あなたも他の人たちのように変ってしまうんじゃないかって。 アタシの抱く、あなたへの醜い想いを察したらきっとあなたは離れて行ってしまう。 アタシがそんな不安を抱いていることなんて知らないあなたは、毎日アタシの肩をたたく。 決して嫌なわけじゃなかったけど、やめてほしかった。 あなたが屈託のない笑みを浮かべるたび、アタシの胸の奥は切なく締め付けられるから。 抑えていたはずの気持ちが表にでようとして、どんどん大きくなっていく。 こんな気持ちを誰かに向ける日がくるなんて、思わなかった。 全部、あなたのせいだよ。 あなたが他の男とも仲良くするから。他の女ともイチャイチャするから。アタシだけを特別扱いしないから。 アタシはあなたに特別扱いされたい。あなたの特別になりたい。 あなたの想いを独占する、唯一の存在になりたい。 そのためにはどうしたらいいの? あなたはきっと、誰が何を言っても変らない。 その性格は生まれ持ったものだろうから。 あ――そうだ。アタシがあなたを生まれ変わらせてあげればいいんだよ。 アタシだけを見て、アタシだけに声をかけて、アタシだけに笑顔を見せる、そんな人にしてあげればいい。 最初から最後まで。生まれてきてから死ぬまで。アタシだけを構う人になって。 今のあなたも好きだけど、やっぱりアタシはあなたを独占したい。 だからアタシは、あなたを奪う。 あなたを一人にしてあげる。アタシとあなたの二人だけの世界に連れて行ってあげる。 アタシがいなければ、寂しくて悲しくて切なくてどうしようもない、そんな人間にしてあげるよ。 楽しみだよ。あなたの心が変ってしまう、その瞬間を目撃するときが。 想い人を完全に忘れてしまうとき、あなたはどんな言葉を吐き出して、どんな顔をするのかな?
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第三話『鈴音、修行しにやってくる!』 太陽が昇り始め、朝日が差し込んでいるこの時間。サンフランシスコ国際空港に一機の ジャンボジェットが入港してきた。しばらくして、ジェットに乗っていた乗務客がそれぞれの ペースで降りてくる。その中には輝く黄金のような色つきをしている長い髪を流し 大正時代の女学生のような和服を着飾った少女の姿が。その左手にはズタ袋が握られている。 彼女は空港の窓からサンフランシスコの街並みを眺めだした。 「へぇ……初めて来たけど、いい街(とこ)じゃないの……ここにはどんなうち好みの女がいるかなぁ」 ボソりと呟くと、彼女は空港ロビーへと向かって歩き出した。 その頃、サンフランシスコのずぅっと地下の方。人知れず基地らしきものが作られていた。 その中には前回、IKOと名乗った三人の姿がある。 「あーあ、前回は失敗しちゃいましたね、オハミルさまぁ」 体育会系脳筋娘のイチリユが言う。そのことを聞くとオハミルはみるみるうちに 顔を真っ赤にしていく。 「きぃーっ!!あのアリスとジャンヌとかいう娘っ子が邪魔するからですわ! ヒユロカさん!何か、地球でぶっ壊すのにいい文化はありまして?」 「ええと……ちょっと待ってください」 頭脳派且つ、IKOの苦労人ヒユロカが何やら目の前のモニターに向かって 打ち込み始める。しばらくすると、モニターにデータが無数に表示されるが 宇宙人の言語なので地球人には理解できないので説明は省く。 「このアメリカではベースボールというスポーツが大変盛んだそうです」 「なるほど…じゃあ、そのベースボールを私色に染め上げて、ヒーヒー言わせるのも 面白そうですわね。それで、そのベースボールが行われているところは?」 「近くならここですね」 モニターに表示された赤い点を指差すヒユロカ。それを見るとニヤリと笑みを浮かべたオハミル。 「じゃあ、すぐさま、レッツゴーですわよ!二人とも!」 オーホッホッホ!という高笑いが起き、イチリユもオー!と乗り気である。 「はあ…」 そしてため息をつくヒユロカは少し痩せてた。 ところかわって、アリスたちが通うサンフランシスコスマッシュハイスクール。 ジャンヌはなにやらため息を吐いていた。 「どうしたんですのジャンヌ?元気がありませんわよ」 「あ…アリスちゃん。あのね、最近…あたし、誰かに見られているような気がして…」 「視線を感じるの?」 こくりと頷くジャンヌ。つまりはこうだ。ある日、学校帰りに日本茶庭園を見物しに行った 帰りから、どこからか視線を感じるようになったそうなのだ。 「でも、視線のする方に振り向いてみると、パッと視線を感じなくなるの。 あたしの気のせいなのかなぁ…?」 すると、話を聞いていたアリスはバン!と机を叩いた。 「…ジャンヌ、それはいわゆるスカウターって奴ですわ!!」 「ストーカーだよ、アリスちゃん」 「どっちでもよろしくてよ!とにかくそのスリーパーだかゴールキーパーだかが あなたを狙っているのよ!…ああ、わたくしの可愛いジャンヌになんと卑劣な行いを! 許せませんわ!安心して、わたくしがあなたを守ってあげますわ!」 「ああ……もうサッカーになってるし、どんどん話が進んでいる…」 ジャンヌは彼女の思い込みの激しさにはついていけんと、ガックリと項垂れた。 さて、そんなわけでその日の帰りから、アリスはジャンヌに財閥から護衛のSPをつけた。 ただのSPではない。元グリーンベレーに、赤パンツのロシアの大男、手足が伸びるインド人など 多種多様な人材を彼女の護衛のためだけにつけたのだ。護衛が勤まるかどうかはわからないが。 「もう安心してよろしくってよ、ジャンヌ。あなたを付け狙うスマイリー菊○など、 この護衛の中ではもう諦めるでしょう」 「だからストーカーだって……そ、それにぃ、こんなに護衛さん呼ばなくても大丈夫だよぉ」 「いーや、ダメですわ!だって、ジャンヌを守るのはこのアリス・ブロウニングの使命! ジャンヌ……あなたを危険な目に遭わせたくないの」 ジャンヌの顎に手をやり、そのまま触れ合いそうな位置まで顔を近づける。 だが、当のジャンヌは恥ずかしがって顔を背けていた。 そんな彼女に護衛をつけてから数日後。このところは視線も感じなくなっており ストーカーも諦めがついたのかと思われていた。 学校の帰り道にハンバーガーを食べながら帰宅するアリスとジャンヌ、そして護衛軍団。 「…う?」 「どうしたのジャンヌ?」 何やら顔をしかめるジャンヌ。彼女は両手を前に添えて恥ずかしそうにアリスに耳打ちする。 それを聞いたアリスも頷くと、ジャンヌは公園の方へと駆け出して行った。 「護衛の皆さん、入り口前まではついていきなさい」 アリスの指示に従い、護衛軍団もジャンヌの後を追う。 ───そんなわけで帰り道にある公園のトイレにやってきたのだ! ジャンヌが用を済まして、トイレから出てくると目の前のベンチに一人の小柄な少女が座っていた。 「うほっ!可愛い女の子……ハッ」 ジャンヌは思わずその少女の容姿の感想を言った。黄金のように輝くロングヘアーと 軽くつり目、そして日本人なのだろう、着ているものはいわゆる和服だ。 ジャンヌがそう思っていると突然、少女はジャンヌの見ている目の前で和服を軽くはだけさせる。 「やらないか」 そういえばこの公園のトイレは百合娘が集まることで有名だった…ということは別にない。 だが、狐のような視線を浴びたジャンヌは誘われるままホイホイと…… 「って、させるかぁぁぁ!!ですわ!!」 危うくPINKちゃんねる逝きな展開になる前にアリスがその場に乱入してきた、危ない危ない…。 「ちっ、もう邪魔が入っちまった」 「ジャンヌを付け狙っていたのはあなたですわね!!許しませんことよ!!って、ええ!?」 アリスは驚いた。それというのもジャンヌをさらおうとしていた少女の頭に狐の耳、 そしてお尻には、その尻尾が生えていたからだ。 「あ、あなた一体何者…もしかしてコスプレ?」 ジャンヌがすっ呆けるが、狐の少女は軽く首を振る。 「うちは妖狐。ちょっと人間とは違うんだ。それよりも付け狙ってなんかないよ。 じっと観察してただけさ」 「くぅ、同じことですわ!護衛の皆さんは何をやっているのかしら…!?」 きょろきょろと辺りを見回すと、トイレの横に護衛の皆さんは山積み状態で倒れていた。 「うちが相手じゃ分が悪かったかもね。それじゃ、ジャンヌはもらっていくぜ!」 「ああっ!アリスちゃぁ~ん!!」 「ジャンヌ!!」 少女は目にも留まらぬ速さでジャンヌをその場から連れ去ってしまった。 ―――AT&Tパーク。本日ここではプロ野球チームのサンフランシスコ・ジャイアンツと ロサンゼルス・ドジャースの試合が行われようとしていた。 狐のような少女に連れ去られたジャンヌは彼女と一緒にこの球場にやってきていた。 「いいのかい、ホイホイついてきちまって……」 「いや、あのーホイホイ連れて来られたんですけど…」 と、ここでジャンヌはようやく少女に質問をすることに。 「あの、妖狐なのはわかったけどあなたいったい誰なの?」 「うち?うちの名前は彩狐鈴音」 「鈴音ちゃん、か……どうしてこんなことを…」 「決まっているじゃん、うちはジャンヌみたいな可愛い女の子が好きだからよ」 その言葉を聞き、ジャンヌはため息を吐いた。やっぱり、この娘もアリスと同じタイプであると。 「さて、それじゃあデートしようぜ、ジャンヌ」 「デ、デートって……どこへ?」 「目の前の球場だよ。うちは野球が大好きだから、ジャンヌと一緒にみたいのさ」 そう言うと鈴音と名乗った少女は彼女の腕を引っ張り、球場へと無理やり連れて行くのであった。 ───サンフランシスコ・ジャイアンツとロサンゼルス・ドジャースの試合が始まった。 1回、2回じはお互いの投手陣の好投もあり0対0のまま。 「やっぱ本場は迫力が違うなぁ~!うちもこんなプレイをしたいぜ」 「鈴音ちゃんって野球やってるの?」」 ジャンヌの問いに、頷く鈴音。 「うち、日本の京都にいた頃に、幼馴染たちと一緒に野球やってたんよ。 うちはピッチャーだったんだぜ」 「へぇ~鈴音ちゃんすごいんだね。あたしは…んっ?」 話を膨らまそうとしていくと、突然の地響きが球場を包みこんでいく。 「な、なんだいったい?」 突然のことに、観客はおろか、試合をしている選手たちも困惑する。 そして地響きが終わったかと思うと、次の瞬間!ドカーン!!とでも表現すべき 音を響かせながら、マウンドのすぐ隣から何かが土を掘り起こしながら現れた! 「うわああ!!くっ、なんだ!?」 思わず飛び退いた投手の目の前には両腕にドリルがついた巨大ロボットの姿が。 あまりにも唐突な展開に、その場にいるもの全てが呆然としていた。 するとロボットの頭部がパカッと開く。 「けーほけほ、オエ!もう、煙いですわねぇ!」 「ヒユロカぁ、もっといいロボット作れよぉ」 「予算がないから無理ですぅ~!」 と、そこから漫才をしながら三人の女の姿が現れた。 「あー!あの人たち、この前あたしの試合の時に現れた…」 「知ってるのかジャンヌ!?」 「うん、あたしがこの前プロレスしてたら突然出てきて…」 そう、IKOの面子が煙に包まれながら現れたのだ。なんとも間抜けな登場である。 「君たち!いったい何の真似だ!!」 投手が彼女たちに向かって怒りを向ける。他の観客たちもそうだ。 大事な試合を、楽しく見ていた試合をこのような形で台無しにされてはたまったものではない。 「そんなの決まっていますでしょ。野球をIKO流に染めてあげましてよ!」 オハミルのその言葉に会場中が怒気に溢れていく。 「ふざけるなー!宇宙人に俺たちの野球をどうこうされてたまるかってんだ!」 「そうだそうだ!!」 その怒気の中で特に激しいのが 「なめてんじゃねー!!野球をお前らなんかにいいようにされてたまるかってんだ!!」 鈴音である。観客席から立ち上がり、片足を前に大きく踏み出しながら吼えている。 その吼えっぷりに鈴音の頭には再び狐耳が、そして尻尾が生えていた。 IKOの方は乗ってきたロボットが再び起動し始めている。 「まったく地球人はキャンキャンやかましいですわね。イチリユさん、あの投手に 向かって使ってみてくださいな」 「はいはい了解!パワフル熱血官僚仏契~あかつきするめ砲!!」 とことん長い名前の武器名を叫ぶやロボットの腕のドリルが変形! 筒状のレーザー砲へと変わり、投手が驚く暇もなく閃光が走った!! 「ぐっ!?うあああああ!!」 それを浴びた投手の身体がみるみるうちに巨大化していく。 目つきが鋭くなり、その肉体も人間のそれから文字通り鋼のボディに変わる。 煙が消えるとそこにいたのは、元の人としての姿がない投手の姿。 見た目はまるで鋼のロボットのようである。ウィーンウィーンという音を立てそうな 動きをしながら、手に持ったボールが観客席に向かってものすごい勢いで投げ飛ばされる! ドカーン!と爆発音が響き、一斉に会場中は大混乱に陥った。 「あはは!やりましたわ!人を別の怪物に変える生命変換の技術…見事に成功ですわ! アイアンピッチャー!あなたの野球でもっと楽しませてあげなさい!!」 声も出さずにこくりと頷くと、今度はグラウンドにいた周りの選手も、敵味方関係なく 次々とボールを炸裂させ吹っ飛ばしていく。 「た、大変なことに~!鈴音ちゃん、今は逃げ…!?」 鈴音に逃げるように促そうとするジャンヌだったが 「あうあ……ぐふ」 先ほどの爆発で飛んできた破片で頭を打った鈴音は目を回して気絶していた。なんともベタな。 「ああ~鈴音ちゃぁん!しょうがない…ちょっと怖いけど…」 ジャンヌが目を瞑るとその身体から光が走り、一瞬にしてプロレスラーモードに 変身を完了させた!すぐに、グラウンドに降り立ち、アイアンピッチャーに向かう。 「IKOさん!これ以上、ここで暴れるのはやめてください!やるならテレビゲームの なかでだけにしてほしいです!」 「むっ、この前、私たちを邪魔したジャンヌとかいう乳だけ立派なガキんちょガール!」 「ち、乳のことなんかどうでもいいです!早く帰ってください!」 胸を押さえ、恥ずかしがるジャンヌの隙を逃さない怪物投手は瞳をギラリと光らせ 物凄い豪速球を投げ飛ばしてきた!寸でのとこで回避するがボールが直撃したところは 大きくめり込んでいた。 「ひやっ!?も、もう、大人しくしてぇ!!」 素早く、ジャンヌが飛び掛ろうとするが、彼女の動きを読んでいたかのように、敵は ボールをしまうとバットを取り出した! 「ふえ!?」 グワァラゴワガキーン!!という打撃音が響いたかと思うとジャンヌは一瞬でバックスクリーンまで かっ飛ばされてしまっていた。 「あうぅ……めちゃくちゃ痛い…ひぐぅ……」 情けなく涙を流しながらその場に倒れこむジャンヌ。その様子を見てオハミルは 愉快痛快とばかりに笑い飛ばしている。 「オーホホホホ!素晴らしいですわ、アイアンピッチャー!」 彼女が自慢の怪物を褒め称えるのを他所に、球場に走りこんでくる人影が。 「ジャンヌ!!」 それはようやくジャンヌの居場所を突き止めてきたアリスの姿である。 彼女は辺りの惨状、中央にいるIKOとアイアンピッチャー、そしてぐったりしているジャンヌの 姿を見て、この場で起きていたことすべてを一瞬で理解した。 「ぐぬぬぬ…よくもわたくしの可愛いジャンヌを酷い目に…!許しませんわ!!」 ワンピース型のバトルスーツを一瞬で装着するとグラウンドに降り立つ。 「IKO!これ以上、ここで暴れるのはやめてバッティングセンターにでもいきなさい!」 「あら、今度はアリスとかいうお嬢様だったかしら?よくも私たちの邪魔をするつもりですわね」 アリスがディメンジョンメーザーを取り出すと、銃形態に変化させてアイアンピッチャーに 照準を合わせ、銃口を向ける。 「あなたの身体でジャンヌを傷物にした罪を償ってもらいますわ!!」 誤解されそうな表現をしながら、引き金を引くと、ビーム光弾がアイアンピッチャーに 向かって発射され、すごい勢いで飛んでいく。 だが、モンスターの方はというと、慌てず騒がず、バットを光弾に向けて振るう。 「な、なんですって!?」 光弾はピッチャー返しの状態でアリスに向かって跳ね返され、反応が遅れた アリスに直撃、爆風が辺りを包み込んだ。 「ぐはああ!?くっ、なんて奴ですの……」 アリスも返り討ちにあい、その蛮行を止めるものは誰もいない状況に。 と、その時。観客席で気絶していた鈴音がようやくゆっくりと目覚め始めた。 「う~ん……いったい何が…あっ!?」 見るとジャンヌはバックスクリーンで倒れてるわ、アリスもぶっ倒れてるわ、 怪物がグラウンドを荒らしまわって辺りは大パニックだわで寝てる間に随分と状況が 変わっていた。 「ジャンヌもアリスも倒した今、我々を止められるものはいませんわ!」 「ちょっと待った!!」 勝利を確信したオハミルであるが、そうはさせねぇと鈴音がグラウンドに飛び移る。 「やいやい!よくも可愛いジャンヌとついでにあのお嬢を酷い目にあわせたな! うちが相手してやる!」 「ふん、なんですのあなた?あなたみたいなのがこのアイアンピッチャーを倒せまして?」 その言葉を鈴音は鼻で笑う。 「うちならそのアイアンピッチャーだって討ち取ってみせるぜ。 漢女なら漢女なら……やってみせるでぇ!!」 大事なことなので二回言ったかと思うと、鈴音の着ていた和服がはじけ飛び、一瞬全裸を 見せ付けると、すぐに新たな衣装が纏われる。和服は和服でも今度は巫女服だ。 さらに引っ込んでいた狐耳と尻尾が再び生え出した。そしてその手には一本の棒が握られている。 その光景にIKOは吃驚仰天! 「ななな…!オハミル様ぁ、また変なのが現れましたよ!」 「ついてないですわね、私たちも……くそ」 ヒユロカが焦り、オハミルも怒りを露にする。出番がまるでないイチリユは昼寝している。 「やい、怪物野郎!うちと野球勝負せぇ!あんたの球をうちが打ったら勝ち。 もし空振りか、打ち損じならあんたの勝ちや!ええな」 勝手に勝負のルールを決めちゃう鈴音だが、アイアンピッチャーは結構素直に無言で頷いた。 「ふん!大リーグ選手を怪物化したアイアンピッチャーに、あなたみたいなロリっとした 娘が勝てるわけありませんわ!やっちゃいなさい!!」 鈴音は持っている棒を垂直に立ててから構える。 アイアンピッチャー、振りかぶって投げた!ものすごい豪速球だ!! だが鈴音、慌てず騒がず、余計な力を込めずにスイングする! ボールは見事にバットへと当たる。だが、それは高く打ちあがったピッチャーフライだ。 「おほほ!所詮、そこまでですわ!」 「それはどうかな?」 「なにっ!?」 なんと打球が頂点まで飛び上がった瞬間、ボールが光を纏いながらいくつも分裂しながら アイアンピッチャーに向かって降り注いでいくではないか。 「これぞ、必殺!しし座流星群打法!!」 無数に分裂した球をアイアンピッチャーは捕球できず、見事ヒットとなった。 「さあ立てアイアンピッチャー!今度はあんたが打者、うちが投手だ!!」 鈴音がお札を取り出すと、それはボールへと変化する。 怪物投手も立ち上がり、バットを構えた。 左手で握ったボールを横手投げ、いわゆるサイドスローで投球する! 「これがうちの必殺魔球…狐火ボールだぁっ!!」 ボールはぐいぐいと伸び、炎を纏いながら振られたバットに直撃した。 その凄まじくスピンが掛かったボールにアイアンピッチャーは押されていき… ボールの勢いそのままに吹っ飛ばされてフェンスへと激突した! 「ああ!アイアンピッチャー!!」 もくもくと土煙が立ち込める。それが消え去ると、そこにはアイアンピッチャーの 姿はなく、元の大リーグ投手の姿へと戻り気絶していた。 「どうだ!うちの必殺技の味は!?」 「くっ、これで勝った気にならないでほしいですわ!ヒユロカさん、イチリユさん、 帰りますわよ!」 オハミルは昼寝していたイチリユをポカリと殴り起こすと、乗ってきた不良品ロボットで 逃げ帰っていった。鈴音はすぐにジャンヌのいるバックスクリーンへと走る。 その足の速さも狐だけあって、常人よりずっと速い。 「大丈夫か、ジャンヌ?」 「あ、ありがとう。鈴音ちゃん、すごいね、野球で戦うなんて」 「え?野球じゃないよ、あれは棒術と退魔の力なんだぜ」 「…え、だって打法とか魔球とか言ってたし…」 「ちゃうちゃう!うちの戦う力はそれじゃないって。野球はあくまでスポーツです!」 あくまで自分の戦闘スタイルを棒術と退魔の力と言い張る鈴音であった。 どこからどうみても野球なのに…。 さて、いずれも変身解除をしてグラウンドの外へと出ている。 さすがにこんな有り様では試合の続きなんてとても出来ないので今日は無効試合だそうだ。 「ジャンヌ、今日はありがとな、デート楽しかったぜ」 「う、うん、どういたしまして」 「で、デートぉ!?化け狐如きが、わたくしのジャンヌとデートですって!?」 「化け狐じゃねぇ!妖狐だ妖狐!!」 「許せませんわ!ジャンヌはわたくしのものでしてよ!」 「ふん!お前が許そうが許すまいが、ジャンヌが気に入ればうちのもんだもんね!」 いがみ合う二人に、ジャンヌはおろおろとして何も出来ない。というより、もう二人のもの 確定ということに対して反論することすら出来ない。 「けっ!今日は疲れたからもういいぜ。じゃ、うちは普段はジャパンタウンにいるから ジャンヌ、いつでも遊びに来ていいんだぜ」 「いかなくていいですわジャンヌ!こんな化け狐のいるところに行ったら 化かされて身包み剥がされますわよ!」 「それじゃ泥棒じゃねぇか!うちはジャンヌと遊びたいだけで…」 いがみ合いは尚も収まることを知らず、ジャンヌもおろおろしたまま、 結局、最後はため息をついて苦笑いを浮かべるしかなかったとさ。 解説コーナー 「はぁい、解説お姉さんです!今日登場した彩狐鈴音ちゃんは人間の父と妖狐の母の間に 生まれた半妖半人の存在。まあ妖狐でいいと思うよ。彼女は日本の京都出身、巫女の修行の ためにアメリカにやってきたんだって。彼女の戦闘スタイルは本人曰く棒術と 巫女の退魔の力らしいけど、どっからどう見ても野球です、本当にありがとうございました。 それというのも京都にいた頃に幼馴染の女の子たちと野球チームを作っていて 鈴音ちゃんはエースピッチャーとして大活躍してたからなのよね。ちなみにそのチームの選手は みんな身体のどこかにボール型のアザがあるそうよ。鈴音ちゃんは左の二の腕だそう。 つまり妖狐とロリと棒術と巫女と野球を組み合わせたまったく新しい変身ヒロインというわけ。 いわゆる属性過多ね。こういうキャラって受けないから鈴音ちゃんの未来は不安でいっぱいね。 それじゃ、また次回もよろしく!」 次回予告 「よっ、彩狐鈴音だ。なんか上で物凄く失礼なことを言われた気がするけど……まあいいや。 うちがメリケンに来たのも巫女修行と魔球開発のため。でもジャンヌと遊ぶのも楽しいよなぁ。 だと言うのに、アリスの野郎、付き合いは自分の方が長いからって独占しようとしやがる。 こういうのは一緒にいた時間より、密度なんだよ!そんな時、ジャンヌが拉致られちまった! 待ってろジャンヌ!うちがアリスより先に助け出してやるぜ! 次回『ジャンヌ囚われの身!アリスと鈴音仲良く喧嘩三昧!』うちはあんな奴嫌いじゃ!」 .
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ラノで読む 双葉学園の生徒達は、今日、夢を見た。 正確には、生徒――ではなく、双葉学園にいる者、いや、この物語に関わるもの達が、である。 夢を見る。確かにそれはありきたりの普通のことだ。それ自体には、特筆することは何もない。 だが、同じような夢を、多数の人間が見た、それならば話は違う。 無論、全ての人間が、ではない。また、見たものの忘れてしまった者もいるだろう。途中で醒めてしまった者もいるだろう。 だが、それでも。 双葉学園の生徒達は、今日、夢を見た。 正確には、生徒――ではなく、双葉学園にいる者、いや、この物語に関わるもの達が、である。 だからその者の数だけ、この夢はある。 夢を見た一人一人が体験したエピソード。 これは、そのひとつである。 語来灰児は、目を覚ます。 目を覚ますというよりは、意識を取り戻すといったほうが正しい。何故なら此処は夢の中なのだから。 「劇場……?」 そこは奇妙な場所だった。 黄金と天鵞絨で作られた巨大な劇場。縦に長く造られた円形。天上はなく、天蓋もなく。だが、その先は見えない。無限に続く螺旋階段。 しかも、もっとも奇妙なのは―― その黄金に、継ぎ目がない。溶接の痕すらもない。 全てが一体成型で造られた、巨大な黄金の螺旋劇場であった。 「然り」 その劇場に、声が響く。 男のようであり、女のようであり、少年のようであり、老人のようであり、特徴的であり、平凡な声。 誰でもない声。それが黄金に反響する。 「誰だ」 灰児は、その声に問いかける。 この劇場は何だ、此処は何だ、と。 「此処は――夢で御座います。誰もが見る夢。誰もに繋がる夢。 星幽の海にたゆたう、我が黄金螺旋劇場に御座います」 「アストラル……だと?」 「然り」 アストラル。その単語を灰児は知っている。 陰秘学《オカルティズム》にて、あるいは神智学にて、人間を構成する世界の一つ。 そして心理学で現す所の―― 「集合無意識の世界、か」 「然り。流石は語来灰児殿、博学でいらっしゃる」 「君は何故、私の名を知っている」 「此処は我が劇場に御座いますが、同時に貴方の世界でもあるので御座います。 集合無意識の水面の下、深く深く潜れば、全ては繋がっているので御座います故に」 「趣味が悪いな。つまり、覗き見したということか」 「そうとって戴いても構いませぬ。私は道化なればこそ」 「道化、ね。ならば聞こう。君は誰だ。道化を名乗り、この劇場の主を名乗る君は」 「私は誰でも無く、そして誰でもあるので御座います。 我は恐怖。我は語り部。黄金螺旋劇場の支配人。舞台の外で踊る道化。 ですがあえて言うならば――」 仮面の道化の姿が消える。 そして、劇場の舞台に黄金のスポットライトが当たる。 そこに並ぶは無数の仮面、それをつけた者達。 男がいた。女が居た。少年がいた、少女がいた。老人がいた、若者が居た。 巨人が居た。小人がいた。痩せたものがいた。太ったものがいた。 怪物が居た。魔物が居た。妖精がいた。悪魔が居た。機械がいた。 それらに共通するのは、皆様々な仮面を被っている。 「我が仮面舞踏会を率いる、ただの怪物に御座います」 「ラルヴァ、だと――」 だが灰児の知識の中に、このような者は存在しない。 誰だ。これらは何だ。 そして灰児は、注意深くそれらを観察し、とある共通点に気付く。 その仮面の意匠―― 「寓話……」 ファウストがいた。エリザベートがいた。ヴラドがいた。ジルドレェがいた。ジャンヌがいた。シンデレラがいた。ドワーフがいた。双子ヘンゼルとグレーテルがいた。クロウリーがいた。ジークフリードがいた。 それらはみな、寓話童話神話伝説御伽噺、それらの登場人物の仮面を被り踊っている。 「然り。彼らは皆、寓話の仮面を被りし、我が舞踏会の演者、人形達に御座います」 まさか。 しや、そんなはずがない。 これだけのグリムが一度に存在するなど、あってはならない――! 「その通り!」 道化は手を叩く。 「然り、然り、然り。 彼らはグリムではない。彼らは―― 私が騙りし物語」 「なん、だと――」 灰児は理解する。 眼前の道化は言った。自らを語り部、と。 つまり。 「君が彼らを作り出したというのか。グリムの劣化品を」 「御慧眼、流石でございます!」 道化は称える。 だが―― 「在り得ない。劣化版、模造品とはいえ、グリムを作り出す――? そんなこと、出来るはずが無い」 「人が思い描ける全ては、必ず実現できるとジュール・ヴェルヌは言いました。 強い思いは現実と結びつく。意思は現実となる、これは魔術の基礎にして奥義で御座いましょう」 「人……だと。まさか、君は」 彼の言葉から、灰児は一つの可能性を思い浮かべる。 グリムを生み出す。それを語り、騙る。劇場で踊る。その劇場は何処にある? そう、それは現実にには無い。 それは―― 「そうか。君は……グリムに取り憑かれた、人間――否、人間だったもの、か」 グリムの第三段階。生命の樹における第三階層。 創造。 此処は、それによって造られた、異界の劇場。 「然り、に御座います。 我がグリムは“恐怖劇《グランギニョル》”――物語を産み出す物語」 そう、最近――異常な頻度で増殖するグリム達。 あれが、本来発生する自然現象ではなく、誰かによって作られた人為現象だったとしたら。 グリムを魔術のひとつではないか、と語る研究者もいる。 それはグリムの成長が、生命の樹の構造と酷似しているからだ。活動界より原型界へと段階を踏み到達し、やがて神の領域へと至る。 神とは、すなわち世界の根源。世界の法則。 まさか、とは思う。在り得ない。だがしかし―― 「君は、到達したというのか」 灰児は問う。ありえないはずだ。だが、しかし。 そして道化は語る。 「然り。私は到達した」 宣言する。 自らは、原型へと到達したのだと。 「原型領域へと到達し、世界を己がルールへと書き換える。 そう、そして世界は――この地球、物質世界とは、限りますまい?」 「……なるほどな。可能性のひとつとは考えていたよ。 魔術の世界には詳しくないが、受け売りで聞いたことがある。 魔術では、人間をミクロコスモス――ひとつの宇宙、すなわち世界と認識すると。 グリムが魔術である、というのが正しいなら。 最終段階に到達したグリムが、そのルールで世界を書き換えるというのなら―― 君はそのルールで、世界《じぶん》を書き換えた」 「然り! 我が物語――物語を産む物語。それを語り、紡ぎ、笑いし者。 私は道化。私は語り部。誰でもあり、誰でもない、舞台の外で笑うもので御座います」 グリムの核となった人間は、物語に狂わされる。 それは幼児への退行、残虐性の暴走、金銭欲の増幅など様々なパターンがある。 だがみな一様に、グリムの孕む悪意によって、大なり小なり、狂わされてしまう。その欲望、願望に付け込まれて。 だが、この男は――語り部を名乗る彼は、そうではない。 元から狂っていたのだから。 その欲望、そして狂気により、グリムの悪意すら呑み込んだ。 そして、逆にその法則を支配し――人としての名を捨て、人外の存在へと昇華した。 すなわち、ラルヴァへの変化――否、進化。 確認される中で唯一――最終段階へと到達した、グリムである。 「そして君はグリムを産み出す――恐ろしいよ。これが全て……」 彼のように、原型へと到達したなら。 彼は自らを書き換えるだけに終わった。それはある意味、人類、世界にとっては僥倖だ。 だがもし、続くこの人形達が―― 「安心めされよ。其れは無い。無いのでございます」 「何故、だ?」 「逆に問いましょう。そしてご教授願いたく存じます。 何故グリムは――原型へと到達できるのか」 「それは――」 灰児はしばし熟考する。 「……人を利用する、からだろう」 何故グリムは人にとりつき、欲望を叶えるのか。 人間の欲望、それは強いエネルギーだからだ。強い望みは行動を動かす。 「然り! 逆に言えば、幻想、空想、架空――その存在たちは、人間ほどの強き欲望、そして魂を持たぬのです。 何故ならば、そうなぜならば! 神の座に近づき、神と相対する権利は、神の子たらヒトにこそ許された唯一の資格ゆえに」 「……」 神がどうとか、そういう事は置いておくにしても、確かに人間の力というものはすさまじい。それは灰児も確かに認めることだ。 だからこそ、グリムは自らが現実となるために、人間と結びつく。 「だが――我らの語りし仮面舞踏会は、人ではない。 かつて人でありながら、現実でありながらも、空想、幻想を望み、物語に成りたがった者たち」 人間である自らを捨て、物語の仮面を被り、物語そのものに成った者。 「彼らを、寓話演者《グリムアクター》」 そして、 「世界と成らなくても良い。ただただ、狂おしくその実存を望み望まれ、そして我が仮面となりし物語」 それは彼によって産み出された、人間を必要としない物語。鋳型によりて造られた贋物。仮面を被りし人形。 「彼らを、寓話人形《グリムドール》」 彼らこそが、道化の率いる黄金螺旋劇場の踊り手達。 「彼らは人ではない。故に、神の領域にたどり着けぬので御座います。 未来《さき》はなく、ただ現在《いま》を踊るのみ。演目が終わればまた明日、同じ踊りを繰り返す。 そしてワルツが狂い咲き、我らが物語が世界を満たす」 「……」 灰児は沈黙する。 気圧されてでも、恐怖してでもない。彼らの恐ろしさは理解した。その脅威も。 だが、ひとつだけ解せない。 何故、このような夢を見せる? 何故、このような事実を語る? 「それは」 その心を呼んだかのように、道化は告げる。 「ひとつ勘違いをしておられる。我らは人の敵ではない」 「何――?」 「私は人の願いを叶えましょう。オリジナルのグリムと同じように、滑稽に、丁寧に、人の望みを叶えましょう。 そう、現実なんていらない、幻想になりたい、と願った彼らの望みを叶えたように」 人間で無くなった寓話演者たち。 彼らは望みを叶えた。そして―― 「おお、おお! おられぬか、他にもおられぬか! 下らぬ現実から脱却し、物語の主人公となりたいと願う、人間の皆様! 望むならば与えましょう! その仮面をお被りなさい! 人の名をお捨てなさい! おお、おお、御照覧あれ! 人としての生、存在を望みつつも、心のどこかで恐怖と刺激を求める観客の皆様型! 貴方達の望むとおりに踊りましょう、歌いましょう、過激に、滑稽に、愚鈍に、優雅に!」 「……お前達は」 そう、これは劇場。彼らは演者と人形。 ならば当然――観客がいる。 それは、ここに招待された全ての人。 夢見る全ての人間達。 彼らのために。彼らがために。 「私達は、踊るので御座います。歌うので御座います。演ずるので御座います! 恐怖劇を! 輪舞曲を! 人が血と恐怖、悲鳴と絶望を心のどこかで望む限り! そう、それこそが――我がグリム。そして我らは――」 ――仮面舞踏会! ――仮面舞踏会! ――仮面舞踏会! 劇場が沸く。 観客席に渦巻くのは愉悦と好奇。忌避と嫌悪。 彼らはまさしく、人の望んだもの。 故に、敵ではない。人類を害し、滅ぼそうとするものではない。 だが、しかし。 「お前達は、危険だ」 それを言ったのは灰児か、それとも――他の誰かか。 同じく、たった今、夢の中でこの狂った仮面舞踏会に招かれ、しかし拒絶し、立ち向かう誰かの声か。 「貴様らと、戦う」 「ほう!」 その声に、その意思に。 道化師は愉悦する。 そう、そうだ。それでこそだ。 物語には敵が必要だ。 悪に立ち向かう英雄が必要だ! 「然り。然り。然り然り然り! よろしい、なれば君は我が敵だ。君の敵意を我々は歓迎する。 だが如何にする? 君に戦う術は無い」 そう、ここで戦う事は出来ない。 何故ならこれはただの夢なれば。 「故に。現実の舞台で、我らがお相手いたそうではないですか。 開幕を。開演を! 我らは楽しみにさせていただきます――」 そして、幕は落とされる。 だから、これはその後の事。 皆が夢から醒めた、その後で起きたひとつの出来事。 だが、それは取るに足らないこと、という事ではない。 それはひとつの意思。 弱い人間の――強い反撃、その狼煙。 「では、私の裁量で君を【ワンオフ】へと認定しよう」 灰児は言う。 「ほう」 誰でもない誰かは、その言葉に仮面の奥で目を細める。 「名を捨て魔へと至ったのなら、私は君に名を与えることで君への攻撃手段とする。 此処ではあいにくと、私にはその程度しか君に手は出せないからね」 名という概念を与えることで、律の外の存在を律の内へと貶める。 それは、何のことはない、ただの屁理屈、言葉遊びに過ぎぬ。 どれだけ悪口雑言を重ねようと、眼前のものに傷など与えられようもない。 だが―― それでも、人の身として、出来る事がある。 自分には異能は無い。ただの人間だ。 そしてここには、双葉学園の異能者の知り合いもいなければ、助手も居ない。 ただの脆弱な人間、ただの弱者。 だが、だからこそ――成せる事もある。 これは反撃の狼煙。 自分ひとりの、どうということではない、ただの言葉。 だが、それでも。 これが夢ならば。 そう――道化の言うとおりに、夢で繋がる、人々の心の海ならば。 その波紋は、波となり届くはず。 敵の存在を知らしめる。 戦いの意思を立ち上げる。 現に――灰児の胸にも届いている。 見知らぬ誰かの意思。 恐怖劇を目の当たりにし、憤る心が、届いている。 気のせいだと笑えばいい。それでもいい。 それでも、ただそれだけで、負ける気はしない。 この身はヒーローではなく、ただ一人の弱い人間だからこそ。 弱いだけの人間が、戦う意思をここに示す。 人類の敵としての、【ワンオフ】の存在を此処に刻む。 「その虚飾に飾られた姿。私は君に皮肉を込めてこの名を贈ろう。 登録番号202……【黄金卿《エル・ドラド》】と」 「拝領いたしましょう。 これより我が名は【黄金卿】、エル・ドラドなり!」 人類の敵が、ここに誕生した。 その銘――仮面舞踏会 そして。 反撃の狼煙が上がる。 【case4 Cinderella】 踊る。踊る。ここは舞踏会場。 灰被り姫の支配する、豪奢にて華麗な学校《おしろ》。 踊るのは、赤く焼け爛れた鉄の靴を履いた女性達。 歌うのは、悲鳴と懇願。 許してください。助けてください。熱い熱いごめんなさいゆるして、私が悪かった、もういじめないからだからおねがい許してあついあついアツイアツイアツイアツイ――――! なんと耳に心地よく響く声。 それを聞き届け、彼女は愉悦していた。 だが答える義務は無い。 もとより、それが目的なのだ。 復讐を。 甘美なる復讐を。凄惨なる報復を。 そして私に、着飾ったドレスと麗しい王子様を。 それこそが、手に入れた力。 渇望し切望し憎悪と辛酸と悲嘆と慟哭と絶望の果てに手に入れた、私の魔法。 シンデレラの仮面。 そう、今や私は恋焦がれたお姫様になれたのだ。 肌の焼ける臭いが鼻腔をくすぐる。 血の芳醇な香りが胸に満たされる。 これこそが幸せ。 「さあ、もっと踊りなさい! 死ぬまで、いいえ死んでも! 私を楽しませて!」 姫は笑う。 これぞ至上。これぞ至福。 私は全てを手に入れた―― その時。 「……姫、侵入者が」 兵士の一人が、恭しく頭を下げて報告を行う。 侵入者? 私の城に? だが、シンデレラは勘違いをしている。侵入者など、別段不思議ではない。 これは、本来のグリムではなくただの出来損ないの仮面に過ぎぬ。 霧の領域で閉ざすことなど出来はしない。 「まあいいわ。殺しなさい」 姫は静かに命令を下す。 パーティーを邪魔する相手にかける情けは無いのだ。 その命令に従い、兵士は侵入者を排除しに向かう。 たかが人間、自分の手に入れたこの力には勝てはしない。 だが―― 轟音が響く。 「!?」 扉が開く。そして、そこに現われたのは―― 「トランプの兵隊なんて、それはちょっとお話が違うと思うんだけど。 足りないな、想像力が貧困すぎる。これだから――」 メガネをかけた、学生服の少年が、 「くだらない現実だ。わざわざ遠くまで来て、こんな不出来な芝居を見せられるなんて」 兵士達の残骸を踏み躙りながら、現われた。 「な、誰だ――なん、でっ」 兵隊達の残骸を見て、シンデレラは狼狽する。 「僕が誰かなんてどうでもいいことだと思うけど。 しかし、ひどい有様だね、これは」 焼ける肉の臭いに顔をしかめる少年。 ああ、これは駄目だ。しばらく焼肉は食べられそうに無いじゃないか。 「ひどい、は――っ」 シンデレラは、ヒステリックに叫ぶ。 「ひどいって何!? 知らないのよ、こいつらが私に何をしたか! 私がどれだけ今まで――」 「ああ、興味ないよ、それ」 「な……!?」 シンデレラは絶句する。 「ああ、君の背景なんてどうでもいい。 どうせ、いじめられたからとかなんだとか、その程度だろう? 本当にありきたりで、どうでもいい」 「だ……黙りなさい! あなたは自分がそういう経験がないから――」 「当たり前だよ。僕は君じゃない。だから君の考えも経験も理解できないし、理解しようとも思わない。 それとも何かい? 君は同情して欲しかったのか? 理解して欲しかったのか? なら君は間違ってる。 復讐を望むのか、救済を祈るのか、どちらかにすべきだった。 君が前者を望み実行した時点で、救済という道はとっくに閉ざされてるのさ」 「知ったふうな口を利かないでっ!」 シンデレラは叫ぶ。それほどまでに、眼前の少年の態度が気に入らなかった。 正論だ。そう、確かに正論だ。 どうしょうもなく正しくて、それゆえに腹が立つ。 そんなのは―― 「まあ、正直言うと、少しなら共感できなくも無いさ。 現実なんてつまらないしくだらない、煩わしくて不快なだけだ。ああ、確かにそうだ。 だけどさ――」 少年は、シンデレラの目を初めて直視する。 その静かな眼光に、シンデレラは背筋に寒いものが走る。 「関係ない人間まで殺すのは、復讐とは言えないだろう?」 ――違う! 「違う、そいつらは……私を、私を! いじめていじめて、だから……!」 「だから殺していい? まあどうでもいいんだよそんなことは。 お前をいじめていた人間がどうなってもさ。僕にとっては等しく、知らない誰かだ。 だけど些か多すぎないかな? それともあれかい。君はこういうのか。 見てみぬ振りも、また同罪だと」 「そ、そうよ。その通りよ、だから――」 「ああ、たしかにそうだ。見ない振りして自分は関係ないと言う連中は確かにくだらない。 だが逆に聞こう。 君は、全校生徒の名前と顔が一致するか?」 「な――?」 何を言っている、この男は? そんなこと―― 「出来るはずがないだろう。じゃあ、たとえば別の学年の全員は? 全員じゃなければ、別の学年のクラスひとつ、でもいい。 君はその全てを、把握できているかい?」 「何を屁理屈を――」 「屁理屈じゃないさ。見てみぬ振りは同罪、ああ確かにそうだ。 だが、知らなかっただけ、気付かなかっただけの人も同罪か? 面白いな、それなら全人類が等しく死刑にでもならないと、道理が通らない」 少年は笑う。 「――故に。お前の復讐の正当性は通らないんだよ」 「あ――」 亀裂が入る。 駄目だ、これ以上こいつに喋らせてはいけない。 「僕は復讐を否定しない。ああ復讐結構、大いにやればいいさ。 だけど、関係ない人間まで巻き込むのはただの殺戮だ。無関係の人々を責め殺して楽しむ。 それは復讐じゃない。 そう、大方お前は、復讐だからやってもいい、と思っていたんだろう? そうやって仮面をつけて自分を誤魔化して、自らの残虐性を正当化する。 実にいいね、反吐が出るほど――」 やめろ。 それ以上言わないで。 私は生まれ変わった。私は力を手に入れた。 私はもう―― 「腐った、人間だよ」 「やめろぉおおおお――――――!!」 吼える。 シンデレラの絶叫、恐怖と絶望が、新たなる悪夢を呼ぶ。 継母たちの目をえぐり殺した、白き鳩。 その群れが、少年を襲う。 これ以上喋らせるな。黙らせろ。 殺せ、殺せ、殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ殺せ――!! その圧倒的殺意の群れに対し、 少年は、 笑った。 「つまらない。くだらないな、指摘されると逆切れか。 この世界も、なるほどそれを反映して実に醜くくだらない。 狂って腐った暴虐にして虚飾の城。 ああ、そんな現実は――」 本を取り出し、開く。 ページが風にめくられる。 それは魔道書。 力ある物語。 「――もっと荒唐無稽《デタラメ》な、幻想で塗り潰す」 力が、はじけた。 塗り潰す。覆い隠す。 悪夢によって歪められた現実を、更なる幻想が侵食する。 それは結界。 翠の輝きに満たされた、都。 「何だ、これ――何よ、これは――!!」 鳩たちが、翠玉《エメラルド》の彫像になって落ち、砕ける。 「え――?」 女の子たちの足を焼いていた、赤熱した靴すらも、翠玉《エメラルド》の靴となり―― その火傷も、痛みも、嘘のように引いていく。 「何、なによこれ。お前は、一体――」 狼狽し、恐怖に総身を震わせながらシンデレラは後ずさる。 何だこれは? 自分が支配していた城は何処にいった? 目の前の化物は、何者だ? 「名乗る義務はない――けどね。魔術を使った以上は、名乗るのが魔術師としての作法か。 僕の名は、小津頼人(おづらいとょ)。魔術名(マジカルモットー)は、【OZの虚言使い(フェイクマスター)】 ……何処にでも居る、ただの魔法使いさ」 「殺せぇええええええええっ!!」 生き残った兵士たち、騎士たち、そして――王子が一斉に襲い掛かる。シンデレラを守るために。 だが―― 「ハートレス・ランバージャック」 頼人の言葉と共に、ブリキで出来た巨人が現われ、その斧を振るう。 一撃。 一撃で、兵士や騎士、王子たちは砕け散る。 心無きブリキの樵。。頼人の操る使い魔。 だが、異能は一人につき一つのはず。結界と、そして使い魔を操れるのは何故――? 実は、この能力は、彼の魔術はその法則と相反してはいない。 なぜならば、それは虚像である。 現実には存在しない、ただの虚実。幻に過ぎない、ただの影。 頼人の、嘘。 彼の魔術は――古典文学、「オズの魔法使い」を力の源として具現させたもの。 パスワーキング、と呼ばれる「物語の追体験」の初歩魔術を極めたものだ。 オズの魔法使いに出てくるエメラルドの街。それはその街の支配者であるオズの作ったもの。 すなわち、詐欺師であるオズを投影した、嘘偽りの街。 故に―― この結界魔術の中では、嘘がまかり通り、そしてまた全ては嘘となる。 そう書けば、なんとも便利にして無敵に思えるだろうが、その実そうではない。 何処まで行っても、嘘は嘘なのだ。ただのまやかしに過ぎない。 例えば、真剣を「これはおもちゃのビニールの刀だ」と言おう。 なるほど、それを信じさせることが出来れば、確かに相手はそう思うだろう。そしてこの結界魔術は、それを可能とする。 だが、いくら玩具に見えても真剣。触れれば斬れる、それは道理。 故に。ただのまやかしに過ぎぬ。 だが―― グリムによってもたらされる現実の侵食。それはつまるところ、捏造された現実だ。故に、それは元々虚構にすぎぬ。 虚構だったものが相手ならば―― どんな現実だろうと、思うがままに虚構へと回帰させる。 幻想回帰。それが、この魔術の真価。 いわば――【寓話殺し】とでも呼ぶべきだろうか。 嘘を嘘で塗り固め、偽の現実を暴き立てる。そして物語を物語へと戻す。 狂った悪夢の天敵。それが彼――フェイクマスター。 「や、やめて――離したくない、この力、これを私は――」 シンデレラは叫ぶ。 「戻りたくないの、私は――!」 その懇願に、 「君は彼女達の命乞いに、答えたのか?」 冷徹に、告げた。 処刑宣告を。 そしてその言葉の通りに、ハートレスランバージャックの斧が―― 心無く、振り落とされた。 エメラルドの街が消える。 結界をといた後に残るのは、傷一つない女の子たちと、そして―― 恐怖で頭髪を真っ白にして気絶している名も知らぬ少女。 その傍らに落ちている、ひびの入った仮面。 「……くだらない」 頼人は、つまらなさそうに、その仮面を踏み砕いた。 それで終わり。 ここにまた一つの、恐怖劇が幕を下ろした。 そして。 これはもう一つの夢。 If you can imagine it, you can achieve it. If you can dream it, you can become it. (想像できたなら、現実となる。夢見ることができたなら、そう成ることができる) ウイリアム・アーサー・ワード そんな碑文が、図書館の門に刻まれていた。 図書館に刻まれるには、些か風変わりなものだな、と不思議に思う。 図書館――そう、図書館だ。だがそもそも、ここはどこだ? 図書館が目の前にある。だがそれ以外には、何も無い。 何も無いというのもおかしな話だが、それが納得出来てしまう。 そう、違和感を感じないという違和感。その矛盾を流せてしまう空気。 まるで、夢の中にいるようだ、と思った。 ――そう、此処は夢と現の間、幻と実の狭間。 耳に、声が響く。小さな、しかし凛と澄んだ少女の声色。 それと同時に、閉ざされた図書館の扉が音もなく開いていく。 明晰夢。夢を夢と認識した時、夢の中で人は自らを保てる。 スクリーンに映される映像を眺めるだけでなく、その世界に自らの足で立つ。 まさに、幻想と現実の間の世界。 その門の向こうにある、図書館の中は一言で言うと、ただ広大だった。 図書館、という言葉が陳腐に見えるそれは、館というよりは世界だった。 天井が見えず、ただ本棚が壁となり突き立っている。 その壁一面に納められた本は、まるで迷路のように入り組み、壁の突き当たりなど見えそうに無い。 縦横に無限。それでいて、狭苦しさなど感じさせぬ広大にして静謐な空間。 其処に、一人の少女が佇んでいた。 司書だ、と何故か理解する。 司書にしては、その背格好はまさに少女のものであり年齢が足りているようにも見えない。 服装も、図書館には似合わぬドレスである。司書という職業にはまったく見えない。 だが、それでも彼女は此処の司書であると理解する。 ――夢とは、そういうものだ。 佇む姿に、少女は静かに言葉をかける。 「――そう、物語は現実になりたがっています」 それは、図書館の門に刻まれた言葉を指しているのか。 「此処は夢と現の間、幻と実の狭間。 集合無意識の領域に存在する、永劫図書館《ビブリオティカ・アエテルヌム》」 永劫図書館。それが此処の名前? なるほど、確かに名前に相応しいと思う。 だが、それは実のところ、何の答えにもなっていない。 物語が現実になりたがっている? 意味がわからないと思った。 そんな荒唐無稽、あるはずがない。 「いいえ。在り得ます。 現実と幻想の壁は薄く曖昧になり、両者は垣根を越えようとしている。 わかっているはずです。 あなたたちならば。 そう――」 少女は言う。 「まるで御伽噺のような荒唐無稽な能力を操り、怪物と戦うあなた達ならば」 それは―― そう、異能者たちが、かつて存在しなかったはずの存在だと―― 「違います。異能者も怪物も、確かに存在し続けた、人の歴史と共に」 その不安を、静かに否定する。 あなた達は、架空の書割ではない、と。 だが。 「あの時に――1999年に、しかしそれは変わった」 そう、今となっては誰も知り得ず、記憶されぬ、忘れられたあの時。 そこに何があったか、知る者は黙して語らず、知らぬ者は目を逸らす何か。 それは今、この話においてはどうでもいいこと。 大切な事実は、その時より――この現実において、異能や怪物といった、常識の裏とも呼べる存在が爆発的に増え始めたこと。 それは現実と幻想の境界が曖昧になった、と表現してなんらおかしくは無い。 境界が崩れたからそうなったのか。 そうなったから境界が崩れたのか。 それは鶏が先か卵が先かを論ずると同じく、答えの出ぬ輪。 論ずる自体が意味なき事。 故に―― 真実として、ここに異能も魔も存在する。ただそれだけの事実。 ならば。 「わかっているはずです。あなたは、見てきたはず」 何を? 「現実を侵す悪夢。空想に焦がれる現実。 変質し、到達し、望みを叶えてしまった彼らの話を、あなたは見たはずです」 そう、それは事実だ。 何故なら、たった今―― このページを手に取って読んでいる以上は、それを読んできた筈なのだから。 では、彼女は何を望むのか。 「あるがままを」 そう、少女は言う。司書は言う。 「願わくば、狂った物語に終焉を」 そして。 「子供達の物語に、未来を」 めでたし、めでたしを。 そのために、魔術を貴方に授けましょう、と少女は語る。 それは、グリムと似て非なる術。 世界を侵さぬ物語。 幻想を紡ぎ力にする物語。 あなたの、物語。 それを手にし学び会得するか否かは、あなた次第。 その意思があるなら、教えましょう。 その意思が無くとも、恨みも嘆きもしません。ただあるがままに、あなたはあなたでいてください。 そしてあなたの物語を紡いでください。 それでは、ようこそ永劫図書館へ。 あなたは、寓話狩人(グリムイェーガー)。 手の中に一冊の本が現われる。 それは魔道書。あなたの物語。 そして、扉が閉まりはじめる。夢から醒めるときが来た。 だが、それでいい。此処は夢ならば、また次の夢で。 否、現実であろうとも、意思があればまた来れる。 意思は現実に成る。それが魔術の奥義なれば。 だが最後にひとつ聴き忘れたことがある。 彼女は誰だ。彼女の名前は? 「私は、少女《アリス》。ただの少女《アリス》。そう――」 ――夢語りアリス。 永劫図書館の司書にして魔女。 そして、扉が閉まる。 これは夢の終わり、そして始まり。 ――さあ。 御伽噺《フェアリーテイル》を始めよう。 ◆シェア用キャラクター このキャラは自由に敵キャラとして出して殺してかまいません。 ドクトル・ファウスト ヴラド=ギガフレア アイゼルネ・ユングフラウ トップに戻る 作品投稿場所に戻る
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つたえたいことばはただひとつ【登録タグ つ レタスP 初音ミク 曲】 作詞:レタスP 作曲:レタスP 編曲:レタスP 唄:初音ミク 曲紹介 ~二文字に込めた想い~ 簡単に言えない二文字の言葉。いつか言えるような相手が見つかるかな。 人気漫画をモチーフにした楽曲で構成されたコンセプトアルバム『クリエイトボックス Vol.1』収録曲。モチーフ漫画は『君に届け』。 動画を トミサカ氏 が手掛け、ベースを なちゅき氏 が、ピアノを GOTS氏 が演奏している。 歌詞 春風に舞う桜並木道で 出会い そして それが恋の始まりだった 生まれて初めてなんだよ こんなにも気持ちが高ぶるのは 夏の夜空 笑顔咲いた 誤解の解き方はわかってるから 事実は惹かれていたことです 間違ってはなかったはずなのに 何でだろう寂しくて涙が出る 忘れてしまおう そんなとき目の前に 笑顔の君 いつの日かこの気持ちが 君に届いてくれるのだろうか 大きなこの気持ちが 君に届く日まで 想いよ君に届け 君とのきっかけで少しずつ 私の周りが変わっていく 自分の気持ちは伝えなくちゃ 伝わらずに誤解がまた生まれる わからないから わかりあいたい 好きより大好きな人が出来たから 名前を呼ばれた日から 多分きっと恋に落ちたんだ いつの日かこの気持ちを 自分の言葉で 想いよ君に届け 真っ白な私の世界に 色をつけてくれた君に どんな言葉で伝えたら いいのかわからないけど 想いよ君に届け …君が大好きです コメント おおお! -- 名無しさん (2014-04-19 21 10 50) 歌詞めっちゃ好きです!! -- 朱莉(偽) (2014-05-14 10 57 18) 漫画「君に届け」がモチーフになってませんか?(*°▽°*) -- ああや (2014-09-20 11 09 25) 名前 コメント
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「美奈子ぉ?荷物が届いたわよぉ?」 玄関からの母の声に、リビングでテレビを見ていた美奈子は、怪訝そうな声をあげた。 「私に?」 心当たりがないが、ソファーから立ち上がると、美奈子は玄関に出た。 玄関で、美奈子の母が細長い包みを抱えていた。 茶色い包み紙で乱暴に包んだらしい。あちこちが破れていたり、シワがよっている。 美奈子は、一目でマトモな業者からの郵便物ではないことを悟った。 「何?またヘンな本?」 「ヘンじゃないわよ」 包みをうけとった美奈子は、答えながら重さや包みを調べる。 「普段は参考書頼んでいるの。私はマジメな本を頼んでいるんだって」 「男の人同士でナニするお話が、あなたはマジメなお話だって?」 エプロンにハンコを仕舞いながら、美奈子の母は言った。 「お父さんとお母さん、どこで育て方間違えたのかしら」 「な、何の話?」 「ベッドの下にHな本隠すなんて、あなた男の子じゃないんだから」 「見たの!?」 「―――あなたね」 美奈子の母は、あきれ顔で娘を見た。 「あんな所に隠しておくなんて、見てくださいって言ってるのと同じだって、何でわからないの?」 「っ!」 「―――で?」 美奈子の母は、娘が持つ荷物を指さしながら言った。 「その中身は?」 「―――知らない」 美奈子はふてくされた顔で答えた。 「大体、荷物に送り主の名前が書いてないもの」 「心当たりは?」 「―――ないなぁ」 美奈子は首を傾げた。 何度か荷物を振ってみるが、音がしない。 「開けてみるか―――お母さん、ハサミ貸して?」 「成る程……ね」 出されたコーヒーを飲みながら頷いたのは理沙だ。 テーブルの上に広げられた包みの中身を前にして、平然とした顔でクッキーまでかじっている。 包みの中身を見た途端、母親が卒倒。自身も腰を抜かした美奈子は、震える指で電話を掴んだ。 相手は理沙。 半ばパニックになった美奈子から必要事項を聞き出した理沙は、10分程で来てくれた。 “途中、道ばたに転がっていた”と言う、背中にタイヤの跡がくっきり残る女の子の襟首を掴んだ理沙は、未だテーブルに放り出された包みを見た後で、平然と美奈子にコーヒーを要求した。 「これは、警察(わたし)に連絡寄こして正解だわ」 「で……ですよね」 美奈子は、包みの中身を見ようとしない。何とか見ずに済ませようと下を向いている。 「お母さん、寝込んじゃって……」 「普通はそうじゃない?」 理沙は、手袋をした手で、興味深そうに包みの中身を取り出した。 包みは、段ボールの箱に真綿を詰め込んで、そこに中身を収めていた。 美奈子が揺すっても音がしなかったのは、この真綿のせいだ。 「ふぅん……?」 「あの……理沙さん?」 美奈子は、下を向いたままで訊ねた。 「何?」 「よく、そんなの持てますね」 「やだ♪」 理沙は笑った。 「こんなの怖がってたら警官やってられないわよ?」 「……」 「年寄りの孤独死の現場なんて行ってご覧なさい。人生観変わるから」 「……遠慮します」 「で?」 理沙は、自分の横に座る小柄な女の子に尋ねた。 「水瀬君?どう見る?このオモチャ」 「―――へ?」 美奈子は思わず理沙を見た。 理沙はニヤニヤした視線を一度だけ、美奈子に向けた。 「お、オモチャ?」 「あったり前でしょう?」 理沙は笑いながら答えた。 「これがホンモノだったら、私がひっくり返っているわ!?」 「なっ……!」 「いい?美奈子ちゃん」 理沙はコーヒーカップをテーブルに置くと、身を乗り出して美奈子に言った。 「これは、名探偵桜井美奈子に対する挑戦?違う違う。これはね?嫌がらせっていうの。こういうオモチャを送りつけて、美奈子ちゃんが困惑する姿を“想像”して悦にいる。そんな小者がしかけた、タチの悪い、くだらないイタズラ」 理沙は、まるで美奈子に噛んで言い聞かせるように言葉を句切りながら言った。 「これはニセモノで、送られてきた理由はイタズラ。わかる?」 「は……はぁ」 美奈子は、理沙の横に座って、理沙の言う“オモチャ”を矯(た)めつ眇(すが)めつ 眺める女の子―――水瀬の反応を待った。 臭いまで嗅ぐ水瀬は、無言で理沙にそれを手渡した。 理沙は自信満々で訊ねた。 「よく出来てるけど、これって何製?」 「?」 「ラバー製にしては……こう、張りというか、何というか」 「……切断は鉈か手斧だね。鋭い刃物は使われていない」 「そういう風に見えるように造ったんでしょう?その……特殊メイクで」 美奈子は、水瀬が言おうとしていることがわかって、目の前が真っ暗になった気がした。 「……お姉さん」 水瀬は、理沙に両手でしっかりとそれを握らせてから言った。 「桜井さんと仕事でつき合っているんだから、そろそろ現実見た方がいい」 「……どういう意味?っていうか、キミとのつきあいなら納得できるよ?それ……って」 理沙の口は、それ以上の言葉を紡げなかった。 水瀬の目を見たからだ。 水瀬の目は、決してふざけていない。 本気だ。 機械のような冷たい視線の先にあるのは、自分が両手で持つ物体。 美奈子の母親を卒倒させ、自分が呼ばれた原因。 理沙は、それと水瀬を交互に見た。 「……まさか」 「殺人事件にはならない……と、思う」 水瀬はテーブルに置かれたコーヒーに手を伸ばした。 「……器物損壊……か、遺体損壊……は、違うかなぁ」 「……」 理沙は三回深呼吸して、手にしたモノを綿の上に置いた。 「―――つまり?」 「細かいことは鑑識じゃなくて、専門機関に任せないと僕にもわかんないけど」 水瀬は言った。 「性別不明。はっきり言えることは、人間の、右腕の手首から上のミイラだってこと」 「そ、そんなものを!」 卒倒した理沙が椅子から転げ落ちそうになるのを抱き留めた水瀬の前で、美奈子が半泣きになりながら言った。 「な、何で私に!?」 「……あのね?」 包みの中身―――人間のミイラの一部―――を、美奈子に見えないように包み紙で隠した後、 ソファー、貸してね? 理沙を抱きかかえた水瀬が理沙をソファーに横たえる。 「……多分だけど」 水瀬は美奈子に振り返った。 「これ―――正確には、桜井さんに送られたんじゃないかも」 「ど、どういうこと?」 「うん……」 水瀬は、困惑したような顔をした。 「単に、僕のカンなんだけど……」 「カン?」 「うん……よく見て?」 水瀬が美奈子の前に広げたのは、包みだ。 「切手が二千円分も貼り付けられているし……」 水瀬の指が、宛先の文字を指した。 「桜井さんは、自分宛だって言われて、そのまま信じちゃったんだと思うんだ」 「……あっ」 美奈子は思わず声をあげた。 そこに書かれているのは、自分の家の住所と、そして――― 桜井 美那の子 ―――そう、書かれていた。 「桜井美那って……誰か知っている?」 「う……うん」 美奈子は困惑気味に頷いた。 「き、去年亡くなった私のおばあちゃん」
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大変お手数ですが、真下から閲覧してください。 戻る 疾風「・・・・はぁ・・・。(ソードしまう)アイツはなんなんだ。(浦橋に) まあいいか・・俺は生存者をさがしにくぜ・・・(生存者を探しに歩き去る)」 浦橋龍助「俺は悪い走り屋に目をつけられちまってる・・・・・! 」 長髪の男「くくくく・・・・・あばよ・・・・・!次の現場にいくぜ・・・・(ダットサンに乗って走り去る) 」 疾風「こいつで・・あの長髪をぶっ飛ばす!(地面が凹んみ足跡が付いた瞬間には長髪の男の目の前に出現す)エンジェリットといい・・・殺し屋に縁があるなおれわぁ!!!(目にも留まらぬ速さで・・一閃) 」 疾風「・・・・・ピキ(何かが切れた)ほう・・・浦橋・・面白いもん見せてやるよ。(ソードの出力を最大にし巨大な刃を出現させる) 」 浦橋龍助「そんな奴にRB26のエンジンなんか勿体ねーんだよ!喰らえ、霊魔神弾(レイマシンガン)!!(霊気のマシンガンを長髪の男に放つ) 」 長髪の男「どんな扱い?速くでごついんだから相手の車をぶっ壊してそのドライバーを切り裂いて殺しているのさ・・・・・!それによって俺は大金を稼いでいるしな・・・・・!だからお前らにも死んでもらおう!喰らえ、マッハスピンスラッシュ!!(物凄い早い回転切りで龍助と疾風に突進して切り裂く) 」 疾風「うお!?(切り裂かれは回避するも服が少し斬れる)っぶねぇ!(ソードを展開し出力を上昇させる)テメェ・・マシンをどんな扱いしてやガル!(長髪の男に) 」 浦橋龍助「あぶなっ!(少しかするが、剣の上に乗っかって男を蹴飛ばす)・・・・・・久しぶりの不意打ちか・・・・・!何の目的でやっている! 」 青いダットサンの長髪の男「ゾンタやランティスと違って・・・・・俺は殺し屋の剣士・・・・・そして殺し屋のレーサーだ・・・!トラックも剣も・・・・・立派な殺しの「凶器」だ・・・・・・っ!喰らえっ!(ダットサンから降りてきて人間離れしたスピードで龍助と疾風を切り裂く) 」 疾風「クッソ・・がぁ!(青いダットサンが轢く寸前にジャンプしボンネットに一瞬触れ、飛び越える)・・どんどん人間ばなれしてきてるな・・おれ・・・。 」 浦橋龍助「がはぁっ!!(轢かれる)・・・・・この音はRB26・・・・!一体誰なんだ!! 」 青いダットサン「ぶおおおおおおおおおおおおおおおんっっ!!!(強烈なRB26の大改造したエンジン音が響き渡り、思い切った加速で龍助と疾風を轢く) 」 疾風「!? ドン!(音がすると同時に浦橋の後ろへと回避している)なんだ!? 」 疾風「・・一般人の俺も、そろそろ力が必要かもな・・・(ソード軽く振る)できれば刀か双剣がいいんだが・・こいつを改造して刀の用にできないだろうか・・・(ゴーグルのようなものを取り出し装着する)どっかに改造用のショップでもあればいいが(ゴーグルに周辺のMAPがでる) 」 浦橋龍助「おい!疾風!上っ!!危ないぞ!! 」 青いダットサン「・・・・・・・!(青いダットサントラックが大ジャンプをし、疾風の真上から落ちてくる) 」 浦橋龍助「なるほどな・・・・確かにえげつないぜ・・・・・! 」 疾風「で・・そのエンジェリットに昨日襲われたんだがな。まあ、プリムの時間稼ぎのおかげで助かったがな。まあ、感触は・・最悪だったが。(掌を見て少し気持ち悪そうにする) 」 浦橋龍助「ああ殺し屋の女神か・・・・・混沌の女神とかギンガ帝国だか言ってるやつらで知ってるのはキルゴアだけだな・・・・・。その殺し屋の女神がエンジェリットだったわけか・・・・・ 」 疾風「光と闇の殺し屋と異名を持っていたらしい、どうも戦争時代でも有名で殺し屋の女神だったか・・その頃からの殺し屋らしい・・ガルファイヤの情報だと・・部下の裏切りで死んだらしいが。(浦橋に) 」 疾風「戦争時代・・・赤いコート・・・当時からの企み・・・生き抜いたものを探し贄とした。奴は、本当に戦争時代を再現するつもりなのか・・それとも・・いや、やめておこう、いまは、生存者を(一瞬だけだが・・体中に風を纏う)・・ん?きのせいか? 」 浦橋龍助「なるほどな・・・・・俺もプリムとは少ししか話してないからあれだが・・・・・生きているかもしれない者は確かにいる・・・・・!エンジェリット・・・・・そいつぁ一体何者だ・・・・ 」 疾風「・・・だが・・メタル色のプリムも可能性を捨てずに・・まだ生きているかもしれない者達を探している。だったら、俺も探す・・それにこいつ等には恩がるんだ。エンジェリットとか言う殺し屋から守ってくれったって恩がな。だから俺はこいつらに恩を返す。だから探す・・それだけだ。(ソードを展開し歩き始める) 」 浦橋龍助「俺の感じる霊気が・・・・・おかしい・・・・・・! 」 浦橋龍助「・・・・・・いや待て・・・・・・お前の言ってる襲撃の他に人がかなり死んでる・・・・・!なかなかえぐいもんだぜ・・・・・ 」 疾風「・・・助かる。(少し笑顔)しかし、オレが武器を持つとは、しかも・・・元々死んでた奴みたいだが。一人やっちまったしなぁ・・(後味悪いと言わんばかりの顔になる) 」 浦橋龍助「分かった・・・・赤コート野郎か・・・・・。そして生存者さがしか・・・・・。あんまりお前といる時間はないが、手を貸してやるぜ 」 疾風「確かにな・・その辺もあると助かるが。今回は、生存者を探さなきゃならんのでな。(ソードの刃部分を消しポシェットにしまう)こいつを改造できる場所もか店もあればいいが・・・それに赤コートの野郎の情報もほしい(浦橋に) 」 浦橋龍助「片づけしてんのか・・・・・もしかしたら、ラムみたいなトラックやランドローバーみたいなSUVあると助かるか?襲撃もそうだが・・・・地震などの復興作業といったら・・・・・その辺ないと意外と仕事にならないしな(疾風に) 」 疾風「この辺りな。二日前にとんでもな化け物達による襲撃があったんだよ。それで昨日此処きたオレが・・あそこで寝てる・・あぁ・・プリムとかいったか・・それで、町の瓦礫やらの片付けをてつだってるんさ。(ソードのEN出力部分を弄りながら) 」 浦橋龍助「そういえば気になってたんだが何の復興作業してるんだ?(タバコを吸いながら話しかける) 」 疾風「あ?浦橋か」 浦橋龍助「ん・・・・・疾風いるのか? 」 疾風「ぐ・・ぬぬ・・あぁ・・あ?・・・昼まで寝てたのか。(目を覚まし木の枝から降りる)復興作業は、後にするか・・生存者を探さないと。(ポシェットからソードプリムが持っていたソードを取り出す)まずは、森のほうにいってみるか(森へと歩き出す) 」 ゴルト「…どうぞ、遠慮なくあがっ…(そう言ってドアを開けた時、急に電撃と冷気光線が飛んできて咄嗟に避ける)……。…すいません、どうやら…『また』のようです…(ヒロ達に言いつつも汗) 」 ギャラード「…ここかー……(プラナとプロン、元気かなー…?) 」 コールズ「はぇー…ここが、あなたたちの家なのね…… 」 ゴルト「……(一つの家の前で着地して)…着きました。ここです。 」 ──────数分後────── ギャラード「…行こう行こう!(白い翼を広げ、飛び立つ) 」 コールズ「……(いつもみたいなこと…あぁ、ヒロからこの前聞いた、あれかな……?)(青く輝く翼を広げゴルトに続いて飛び立つ) 」 ゴルト「…キサナ様も私も不在の今…『いつもみたいな事』になってないといいんですがね…(汗)…では、私が案内しますね。(そう言って黄金に輝く翼を広げ、大空へと飛び立って) 」 コールズ「…あなたたちの家に……楽しみねっ……(ゴルトに) 」 ギャラード「…行こう行こう!(ウキウキしているのがすぐにわかるようだ)(ゴルト…に) 」 ゴルト「…さて、前にプロンも言ったとは思いますが… …お二人を私達の家へ案内しますね♪(コールズ、ギャラードに) 」 コールズ「…あっ、ありがとう…(金色の羽根を受け取り、ニコッとする) 」 ギャラード「……あ、金色の羽根……あ、ありがとう!(羽根を受け取り、にこーっとする) 」 ゴルト「宜しくお願いしますね、コールズさん、ギャラードさん♪(こちらも笑顔で返して)…あっ、これはお近づきの印です。…よろしければどうぞ…。(そう言ってコールズとギャラードに金色の羽根を渡して) 」 コールズ「…確かに飛んできた方が楽で早い、しかしそれではインパクトが足りないのではないのか?…と彼が言ってたから(ヒロを指さしながらゴルトに)…あ、私はコールズ、よろしくね、ゴルト… 」 ギャラード「…あっ、ご丁寧にどうも…私はギャラード、よろしくね(ニコッとゴルトに) 」 ゴルト「…飛んで来た方が早いと思ったのは私だけでしょうか…(汗)…あっ、失礼しました…。…私、ゴルトと申します。…以後お見知りおきを…(2人に丁寧に自己紹介して) 」 ギャラード「…っはぁー!(ゴルトのところに着いた瞬間ホッピングを置く)…やっぱこの登場はないわー… 」 ヒロ「……その発想はなかったよお前ら(ケラケラ笑いながら二人に)…右の青い髪の子がコールズ、んであっちの金髪の子がギャラードだ 」 ゴルト「…えっ!?(それを見て)…ふ、不思議な登場の仕方をするとは聞きましたが…(汗) 」 コールズ「…えっほ、えっほ……(ピョンピョン…(ギャラードと一緒に、ホッピングに乗りながらやってくる) 」 ヒロ「……あぁ、そのようだな……(……何があったのかは黙っておこう…) 」 ゴルト「…相当仲良くなった模様ですね♪(なお、真相は知らない様子…) 」 ヒロ「………っしょ(しばらく話した後に電話を切る)すぐに来るってさ、なんかギャラードがめっちゃ嬉しそうにしてたな(ゴルトに) 」 ヒロ「……あぁ、そういやこの前、そんなこと言ってたっけか…オーケー、そのことも伝える(電話で話し出す) 」 ゴルト「…お、お願いします。…後、これはプロンのお願いなのですが… …お二人を私達の家に招待してみたい…そうです。 」 ヒロ「……(……その話をした時の二人がどんな感じだったのかが想像しやすいな……)挨拶…今から呼ぶかい?(電話を用意しながらゴルトに) 」 ゴルト「…プラナはその話になると真っ赤になってまともに話そうとしないのですが… …プロンは嬉しそうに語ってくれましたね。…お二人とも良い子で嬉しいそうです♪(微笑みながらも)…あっ、折角なので私もご挨拶しなければ… 」 ヒロ「…どうやら、そのようだな……(クラウソラスを見て) 」 ヒロ「…お仲間…あぁ、コールズとギャラードのことか……どんな風だと聞いたんだい? 」 ゴルト「…どうやら、気に入られた模様ですね。(微笑みながらヒロに)…あっ、そうそう…。…ヒロさんのお仲間についても二人から聞いたのですが…(ヒロに) 」 ヒロ「……?(自分を見ているクラウソラスの方を見る) 」 クラウソラス「クェーッ。(2人を見送った後、ヒロの事を見ていて) 」 ドンキー「 …無事解決した事だし、俺も… …ってあれ?そういえばディディーのヤツ何処行ったんだ?…さっきからずっといなくなってたが… …探してくるぜ!(そう言ってその場を後にして) 」 ワリオ「 …よし… …俺はこの辺で行くとするかな…。…すまん事をしちまったな…。(バイクに乗って走り去っていく) 」 ドンキー「 …こんな事しちまった俺達にも…お、恩にきるぜ…!(こちらもビンを出して(ry 」 ワリオ「 ま、マジかよ…。(それを見つつもビンを出して壺の蜂蜜をビンいっぱいに救って)…ありがてぇ! 」 ヒロ「……い、いいのか……?…じゃあ…もらっておくよ(ツボを受け取る) 」 クラウソラス「クェー…(どうやら、許してくれた模様であり)…クエッ!!(その後、穴の開いた守閣から蜂蜜の壺を取り出してヒロの前に出す。どうやら、自分ばかり独り占めするのも悪いと思ったようなので分けてくれるようだ。) 」 ワリオ「 …お、俺は盗ってねぇぞ!!ただ、ドンキーの手伝いをしていただけで…(と言いかけると、クラウソラスが睨みつけてるのを見て)……あっ、はい。協力してました。非常に申し訳ありませんでした。(土下座) 」 ドンキー「 うっ…!(それを言われてギクッってなって)…面目無い…。…極上の蜂蜜なんて聞くと黙ってられなかったんだ…。 」 ゴルト「…それと… …そこのお二人!(ワリオとドンキーを指して)…駄目ですよ?人の物を勝手に盗ったりしたら…。 …誰だって、大事な物を盗られたら困るでしょう? 」 ヒロ「おっ、そうか…あの二人から………あぁ、よろしくな、ゴルト……(…彼女が……炎を司る不死鳥、か……!)(ゴルトを見て) 」 金の翼の少女→ゴルト「…お話はプラナとプロンから聞いていますよ、ヒロさん。…ゴルトと申します。…以後、宜しくお願いしますね。(ぺこり…と丁寧にヒロにお辞儀して) 」 ヒロ「そういうの見慣れてるからねぇ(ワリオに) 」 ワリオ「 えぇぇぇぇぇぇぇぇ!?(それを見て)…一体どういう事なんだ…(汗)…そしてお前…驚かないのか…!?(ヒロに) 」 ヒロ「……人間の姿に……(間違いない、彼女は….三不死鳥の一人……!)(少女の姿に変わったのを見て自分の中で確信を持つ) 」 黄金の不死鳥→金の翼の少女「…あっ、ごめんなさい。…この姿だと何か話しにくいですよね…。……(そう言って念じると、不死鳥の姿から背中に黄金の翼を生やした金髪の青い右眼と赤い左眼のオッドアイを持つ少女の姿に変わって) 」 ドンキー「 ……。(それを聞いて)成程…。そういう事だったのか!道理でさっきヒロの方に蜂蜜が行った際にヒロを狙ってたわけだ…。…いやー、俺もそうなんじゃないかと思ってはいたけど……… ……キェェェアアァァァァァァァシャベッタアアァァァァァァァァ!!!!!!!(普通にしゃべった事に驚いて) 」 黄金の不死鳥「……。(そしてヒロを見つめてしばらくすると…)…どうやら、クラウソラスさんは蜂蜜を取られた事に怒ってた模様……だそうです…。(そして普通に喋り始めた) 」 ヒロ「……その理由は俺にもわからん……(…3不死鳥の…1人……!?)(黄金の不死鳥を見て) 」 ドンキー「 あれ…?…クラウソラスが大人しくなったぞ…(それを見て)…一体どういう事なんだ……(ヒロに) 」 クラウソラス「クェー…。…。……。クエェェェ~。(―――殺気が消え去り、黄金の不死鳥に懐く様にすりすりし始めた…) 」 黄金の不死鳥「…ピュオォォォォォォォォ…(クラウソラスに何かを伝えている模様であり、それを伝えた瞬間――――) 」 ヒロ「……(金色の…不死鳥…それに、炎……?)……ま、まさか………!(黄金の不死鳥を見て) 」 ワリオ「 な、何だ何だ何だァ!?(それを見て驚愕しており…)…クラウソラスの…仲間なのか…!?(ヒロに) 」 黄金の不死鳥「……。(すると、1羽の鳥…鳳凰…否、『不死鳥』がヒロの目の前に舞い降りた。…その全身は金色に輝き、見る者を魅了し…その右眼は大空の様に蒼く、その左眼は烈火の様に赤いのであった…。) 」 ヒロ「………ん?(クラウソラスが攻撃の手を止めたのを見て)……なんだ……? …急に大人しくなったぞ……?」 クラウソラス「クェ!?(守閣に穴が開いたのを見た後、周囲に舞い散る黄金の羽根を見ると――――)…クェー…。(さっきまでの凶暴さは失われ、攻撃の手を止めた…。) 」 (その時である…)…ファサァァァッ… …ボウッ!!(ヒロの周囲に大量の黄金の羽根が舞い、クラウソラスの羽根手裏剣がヒロに刺さる直前で全て燃え落ちていく…) ヒロ「……ハチミツが狙いなんだろ、さっさとハチミツ食っちまえ(穴を開ける)ここから守閣の中に入れるようになってるから…(ドンキーに)…めんどくせぇやつだな(周りの土を盛り上げ、盾のようにして手裏剣の直撃を避ける) 」 クラウソラス「クエエェェェーッ!!!(そんなヒロの隙をついて翼から無数の羽根手裏剣を大量に飛ばしていく) 」 ヒロ「…マジかよ……いつ光るかわからねぇんじゃ目を見ずに攻撃するしかねえじゃん…どうしろってんだよ(ドンキーに) 」 ドンキー「ああ…。…俺も一度やられた事がある…。…ヤツの目が光った時に奴の目を見ちまうと…力が抜けちまうんだ…!(ヒロに) 」 ヒロ「…合わせちゃまずいのか(後ろを向き目をそらす) 」 ドンキー「 …!!(それを見て)い、いかん!ヒロ!!ヤツと目を合わせるな!!(ヒロに) 」 ヒロ「……トリにしては意外と賢いんだな(首をコキコキと鳴らす) 」 クラウソラス「クエェェェェ…(それを聞くと、つつくのをやめて)…!!クエッ!!(目を鋭く輝かせ、ヒロと目を合わせる様にして睨む) 」 ヒロ「…悪いな、その守閣はダイヤモンドより硬く設定してあるんだ、つついて壊すのはよっぽど嘴が強くないとできないよ(土の球を投げあげながら) 」 クラウソラス「クエー…(蜂蜜がドーム状に覆われたのを見て)…クエエッ!!(蜂蜜を覆っているドーム状の守閣を何度も突いて壊しにかかる) 」 ヒロ「…悪りぃな、俺の手にも渡らねぇ(土でできた巨大な手を下ろし、ハチミツの周りをドームのような守閣で覆う) 」 クラウソラス「クエ!?(蜂蜜がヒロの手に渡るのを見ると…)…クエエエェェェ…!(明らかにヒロに狙いを定める様にヒロの方を見て) 」 ヒロ「…ちょっ、こっちに放るとか…こっちゃそれどころじゃ……っくっ!(土を盛り上げ、巨大な手を作り出し、ハチミツをキャッチ) 」 ドンキー「ちょ…速すg―――――ぐおああああああああああああああああ!!!!(喰らって蜂蜜の壺をヒロの方に放り投げる様に落としてしまう) 」 クラウソラス「――――――クエッ!!(巨体に似合わぬ凄まじい速度で銃弾を全てかわしていき…)…!!!(その勢いのままドンキーに勢いよく突撃して) 」 ヒロ「…マジかよ……!ふざけんなこの野郎、落ちるだろうがよ (突きにかかったクラウソラスの嘴を土刀で弾く)」 ドンキー「 …もう戦うしかねぇのかよ…!!…俺の銃が火を吹くぜ!!(以前ほむらから貰った銃をクラウソラスに撃ちまくって) 」 クラウソラス「…クエッ!!(投げられたナイフを足で払い飛ばして)…クエーッ…!!!(ナイフを投げられた事で怒りの矛先がヒロに向いたのか、ヒロを嘴で突きにかかって) 」 ワリオ「 …おわああああぁぁぁぁぁぁ!!!!(吹っ飛ばされて)…クソッ…!一体どうすりゃあいいんだ…!? 」 ヒロ「…えいっ…!(ナイフをクラウソラスに投げる) 」 ヒロ「……うっ……!(暴風で飛ばされる)…クソッタレ。(大きなビニール袋をパラシュート代わりにしながら着陸しようとする) 」 クラウソラス「…クエッ!!(逃げ出したワリオ達を見て翼を広げて追い…)…クエェェーッ!!!(逃げる3人に暴風を巻き起こして) 」 ドンキー「 …そ、そうだな…!!(こちらも逃げ出して) 」 ヒロ「……とんでもねぇことに巻き込まれたようだな(逃げ出す) 」 ワリオ「 …とりあえず、まずは外に出てから対策を練ろうか…。…っていうかここに居たら捕まっちまうううぅぅぅぅぅ!!!(ヒロに言いつつも逃走) 」 ヒロ「……どうすんだよこれ、寄宿舎ぶっ壊れるかもしれねぇぞ(ワリオとドンキーに) 」 クラウソラス「…クエエェェェェェェェェェェーッ!!!!(ヒロが後ろを振り返ると…先程までワリオとドンキーを追っていた例の怪鳥が叫びながら向かって来ていた…) 」 ヒロ「……後ろ?(窓の方を見る)……は? 」 ヒロ「…明日は…郭俊麟ゥ!?(テレビを見て驚愕)……ギャァッ!…な、なんだ、ビックリするじゃねえか、いきなり現れたら…(ワリオの方を見て) 」 ワリオ「 こっちの方が恐ろしいわあああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!(逃げつつもヒロの所にやって来て) 」 ヒロ「…(外の光景が見える位置にある寄宿舎のロビーの椅子に座っている)…この山本って二年目は恐ろしいな(テレビを見ながら呟く) 」 ドンキー「 …そんな事はあっちに聞いてくれないか!?…俺が知ってるとでも思っていたのか!?(ワリオに答えつつも逃走中) 」 ワリオ「…クソッ…!ヤツめ…!一体何処まで追って来るんだぁ!?(必死でドンキーと共に逃げつつも) 」 ドンキー「…ここまで追って来るなんて流石の俺も聞いてねぇぞ…(汗)…って、つべこべ言ってる場合じゃなかったああぁぁぁ!!!(ワリオと一緒に逃走中) 」 ワリオ「…だ、誰か助けてくれええぇぇぇぇぇぇぇ!!!!(叫び声と共に寄宿舎の近くを通りかかって逃げていて) 」 ディディー「ちょ…!(ワリオが逃げていくのを見て)置いてかないでくれえええええぇぇぇぇぇぇぇ!!!!(バレルジェットを装備してドンキーと共に全力逃走) 」 ワリオ「 …それは紛れもなく……(改めて上を見上げ、以前も見たその姿を目撃し…)…ヤツだあああああああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!(バイクに乗って全力逃走) 」 ドンキー「 おいおいおいおい…(汗)…これってマズいじゃねぇか!!(逃走準備) 」 ワリオ「…っていうか、もう来ちまってるんだがよ…(汗) 」 ワリオ「 まっさかぁw…流石に昨日撒いただろうしここまで来るなんて事は… …(そう言ってると空中に見える巨大な黒い影がワリオとドンキー、ディディーを覆い)…無い…よな…(汗) 」 ドンキー「 …。(やって来たワリオを見て)…今の所はな…。…ただ、完全に逃げ切ったと確信は出来ないんだよなぁ…。(ワリオに) 」 ワリオ「 ……。(ドンキーとディディーの元にバイクを走らせて来る)…おう、お前等…。…あれから、ヤツに襲われたりはしなかったか…? 」 ドンキー「 …でもよ…バレたらマズいんじゃないか?…まぁ、現状でも相当ヤヴァイ状態なわけだが……(汗) 」 ディディー「 …また追われない内に早めに舐めちゃった方がいい気もするけどねー。…向こうには『ダメだった』とか適当な事言っとけば… …だって僕達が苦労して取った物なんだよ?(ドンキーに) 」 ドンキー「 …はぁ…。(一つの蜂蜜の壺を抱えながら)…取れたには取れたんだけど、どうすっかねコレ…。…一応、分け前の契約もしてあるしなぁ…。 」 疾風「さて・・寝るか・・・明日は生存者探索だ・・・ここで、寝とくか。。(木の枝に登り眠り付く) 」 疾風「じゃあな、また時間があったら話そうぜ。(浦橋を見送る) 」 浦橋龍助「俺はもうこれで帰るぜ・・・・・(青いR34GT-Rニュルに乗って走り去る) 」 疾風「ってそろそろ復興作業にもどらないと。(復興作業にもどる) 」 疾風「俺のGTRは・・・直6のままだったな。まあ、ターボを2.0にしてマフラーツインにするだけで780馬力だからなぁ・・・ソロソロチューニングしてやるか(浦橋に) 」 浦橋龍助「俺の持ってるアウディTTは、TTRSでR8のV10ターボのエンジンを搭載してるぜ 」 疾風「ほー・・・(完全にレーサーとしての目アクセラのドライバーを見る) 」 浦橋龍助「・・・・・・っ!!噂をしたらTTのドライバーがドリフトしてやがったか・・・・・!あのアクセラに乗ってる女が、TTレースで結構強かった女ドライバーなんだよ(疾風に) 」 疾風「よく、まあ、そんなもってるなぁ、まあいいか俺は相変わらずのルナとスペックIIのGTRだけさ(浦橋に) 」 疾風「復興中の場所でよくやるなぁ、俺もやってたけど。(スポーツカー達を見て) 」 浦橋龍助「スペックMニュル。中村のR34のモデルも持ってるけどな。そして死んだタケルと同じくNSX-Rも持ってるけどな(疾風に) 」 水色のスポーツカー達「ぶおおおおおおおおおおおおおおおんっ!!!(水色のBRZ、アクセラ、エクリプスが街中で龍助たちの前でドリフト走行をしている!そして、サイドボディには青い天使のようなウィングのステッカーが貼られている) 」 疾風「ほうスペックはIIか?それともNか?(浦橋に) 」 浦橋龍助「そうか・・・・・俺は車に関しては最近だとドライブ感覚でしか運転してないな・・・・・。せっかく買ったウラカンも勿体ないよな・・・・・・今日はR34スカイラインGT-Rに乗ってきてるけど 」 疾風「まあ、レースは最後までわかんないからな。どんな容姿してても油断できないからな。しかし1位をとったってのはすごいな!(浦橋に)オレなにしてる人にみえたんだ・・・(プリムに) 」 疾風「俺もリッジステイトからスカウトがあったが・・・いまは、少し考えさせてもらってるぜ。(浦橋に) 」 浦橋龍助「まあ俺もレースしてるっつってもたまにだからお前と同じようなもんだけどな・・・・・・。だがしかし、この間のTTトロフィーではFFモデルの女ドライバーを侮ってたら・・・・危うく負けそうになったが1位を何とかとれた・・・・・ 」 ジャイアントプリム「 レース…って事は…お前等、レーサーだったのか…!?(驚き) 」 浦橋龍助「ああ、こいつとはレース仲間で友達さ・・・・(プリムに)・・・・・だが俺はもう相手に喧嘩レース吹っかけるのを辞めてワンメイクレースにも出場するようになったぜ 」 疾風「おお!(完全笑顔)そうか・・・でも今はレースとかしている状況じゃ、ないんだ。(顔がまた強張り浦橋に) 」 浦橋龍助「ああ・・・・・浦橋だ・・・・・1年ぶりだな・・・・疾風・・・・・!見事復活してやったぜ・・・・・・(タバコをくわえて火をつけ疾風に) 」 疾風「友達でありレース仲間さ。(笑顔でプリムに答える) 」 ジャイアントプリム「お…?…知り合いか…?(浦橋を見つつも疾風に) 」 疾風「浦橋・・?浦橋なのか!?(安心した顔と言わんばかりの顔になる) 」 浦橋龍助「お・・・・疾風じゃねぇか・・・・久しぶりだな・・・・ 」 疾風「た、多分だが・・・実は凶暴じゃなくて、あの二人に対して怒ってるだけだったり・・あ、あはは・・(困惑) 」 ジャイアントプリム「 …俺よりデカかったぞアイツ…(汗)…性格も凶暴なんだろうなぁ… 」 疾風「で、でけぇ・・・マジでいるのか(白目)・・・(驚きすぎて無言で復興作業に戻る) 」 クラウソラス「…クエエェェェェェェェェェーッ!!!!(空には例の巨大な怪鳥が飛んでいた…が、疾風に襲ってくる様子も無く、ワリオとドンキーを追って消えていった…。) 」 疾風「!?(巨大な影を見て空を見る) 」 ドンキー「 は…!?ここまで追って来れるとかそんなはず…(上空を見て絶句)…あったよおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!(ワリオと共にその場を後にして) 」 ワリオ「…で、俺等も特にやる事無くて暇だしなぁ…。…よし!俺も手つだ…(と言いかけた時には上空に巨大な影が…)…う、うわああああああああああああああ!!!!!ドンキー!!奴だああぁぁぁぁぁぁ!!!(それを見て全力疾走) 」 疾風「・・・蒼炎の勇者か・・学校で聞いた時より若い姿だな。(資材を運びつつアイクを見る) 」 メタルプリム「 …そ、そうか…。…ならいいが…(こちらも生存者を探していて) 」 疾風「・・なんでもない・・。(資材運びに戻る) 」 メタルプリム「 …?…どうしたんだ…?(疾風に) 」 疾風「・・・考えたくないが・・・生存者を・・(顔が強張る) 」 メタルプリム「 わからん…。…戦争時代の生存者なんて結構少ないしなぁ…(疾風に) 」 疾風「張本人・・あのコート・・・今も、戦争時代の奴等に声をかけまわっているのだろうか。(プリムに) 」 アイク「だが……遅かったようだ。俺は…しばらくはその辺にいる。 」 メタルプリム「 …お、おう…。(それを聞いて)…ま、まぁ…奴等を倒してくれるってんなら、心強いな…。 」 アイク「 俺にとっては、「何かがあった」…それだけでいい。まどろっこしいのは苦手なもんでな。ややこしい事情など関係なく……この状況を作り出した張本人を倒す、それだけだ。 」 メタルプリム「 …まぁ、何事も慣れってヤツだ…。…使ってる内に手に馴染んでくるさ。(疾風に)…でもよ、世界征服とか企みかねない奴だ…。…何をしでかすかわかったモンじゃない…(アイクに) 」 疾風「試すか・・(ソードの刃を出現させる)出力上昇!(ソードのシステムを少し弄り巨大な刃を出現させる)やってみればできるものだな。(そして刃を消しポシェットにしまう) 」 アイク「 ………そうか。 ……いちいち問い質す気もせん。 」 メタルプリム「 ……(アイクを見つつも)…それがだな…(さっきまでの出来事を全て話して) 」 疾風「ん?(アイクを発見する) 」 メタルプリム「ザク...ザク...(砂利を踏み歩く足音) これは……いったい……。 」 疾風「ふむ・・・機械に詳しい奴でも探して、作ってもらうしかないか・・俺も機械いじれるとはいえ・・車限定だからな・・。(巨大プリムに)しかし・・かわったソードだな・・レーザー系統だから出力を上げて刃でかくしたりできるのだろうか・・。(ソードを取り出し見つめる) 」 ジャイアントプリム「 うーん…。…困った事に無いんだよなぁ…。…そういう剣らしいから…(疾風に) 」 疾風「そうだ。このソード・・鞘か何かないのか?刃を出現させ続けて攻撃するのは苦手なんだが。(巨大プリムに) 」 疾風「祈るしかないさ・・俺達は、今やれることするしかない・・・コレで少しでも助かる人がいるなら・・いくらでも手伝ってやるさ・・・。だが・・心配だな・・(巨大プリムに)明日にでも・・探しにいってみるか。(辺りを見回しながら) 」 ジャイアントプリム「 あぁ…。…仲間と一緒に数人の戦士達が化け物に立ち向かっていくのを見ていたが… …アイツ等は生きてるだろうか…。 」 疾風「だな・・・他に生存者がいれば少しは安心できるのだが・・。(巨大プリムに) 」 疾風「・・・(無言でポシェットからソードを取り出し刃を出現させる)・・・セイ!(持ち運べ無さそうなでかい残骸を切り裂く)あまりこういう使い方はしたくないな・・(刃を消しポシェットにしまう) 」 ジャイアントプリム「 …他に生存者がいないモンかねぇ…(瓦礫をどかしつつも) 」 疾風「そ、そうか・・まあ、おれは止めないよ・・さっきのバイクのオッサンとがんばれ(ドンキーに)さて・・資材運ぶか・・(復興作業を手伝い始める) 」 ドンキー「ま、マジか…。…でも、早めに味わっとかないとまた追われそうなんだよなぁ…(疾風に) 」 疾風「ま、まあな・・・でもこういう時に限って・・もっと熟成させて居なければとか(ry)とかのパターンがあってだな。(真顔でドンキーに) 」 ドンキー「 で、でもさ… …『極上の蜂蜜』だなんて聞けば…一度は味わってみたくなるじゃんか… …な?(疾風に) 」 疾風「・・・なぜ怪鳥に同情してしまったぞ・・(不信感丸出しの顔でドンキーに) 」 ドンキー「…詳しい事はわからんが… …ここまで追われてる事を考えるとそうかもしれん…(疾風に) 」 疾風「で・・それをとって来て、怪鳥に襲われていると・・・その怪鳥は守護鳥だったのか?(ドンキーに) 」 疾風「そうか・・・俺もまずは、復興を手伝わせてもらうよ。下手に一人で行動するよりいいかもしれん(プリムに) 」 ドンキー「 …なんかそっちもそっちでとんでもない事になってるみたいだな…(汗)…でよ、この蜂蜜は噂を聞いて俺が『極上の蜂蜜のある谷』に行って取って来たモンなんだ…。(疾風に) 」 メタルプリム「 …まずは残った仲間と街を復旧してから… …話あって考えるぜ…。(疾風に) 」 疾風「そうか・・・分かった。(ソードの刃の部分を消しポシェットに入れる)これからどうする・・俺は奴等の情報を探っていくつもりだが・・(プリムに) 」 メタルプリム「 …いや、それはお前が持っててくれ…。…大した力も無い俺なんかが持つより… …さっきの戦いでそれを使いこなしたお前が持ってる方が… …そのソードも、そしてアイツも…喜ぶだろうよ…。 」 疾風「戦争時代でも有名だったって事か。(プリムに)シルヴィとメフィレス・・・(去っていくガルファイヤを見送る)このソード・・アンタが持っていたほうがいいんじゃないか?(ソードをプリムに渡そうとする) 」 メタルプリム「 …さっきのエンジェレット…ってヤツは、まだ俺が戦争してた頃に生存していた人物…って事と… …かつて噂にもなった…『殺し屋の女神』…って事だ…。(疾風に) 」 ガルファイア「 …先程も言ったように、彼を知る者は存在しない…故にその力は未知数で理想も不明。ただ、私から一つだけ言わせてもらえば――――――――――――――あの男は『シルヴィ』と『メフィレス』の凶悪がいた時代から今日までひっそりと息を潜めてきたダークホース、故に、いづれ『あの二人』と肩を並べるやもしれない強大な存在となるでしょう…。(そう言い残し転がり去っていった) 」 疾風「なにかわかったのかあんた。(プリムに) 」 メタルプリム「 …そういう事か…。…貴重な情報、ありがとうな…。(ガルファイアに) 」 疾風「やはりネクロマンサーの類か・・・・もしかしたらだが・・今も生け贄をさがしてるのか・・だが分からんこんな事をしてなんの利益が・・これは奴の計画のひとつなのか・・クソ!わからん!(頭をおさえる) 」 ガルファイア「ええ、知ってますよ。彼女は、まだ混沌の女神が世界に君臨する前の『殺し屋の神』が繁栄していた時の人間です。彼女は部下の裏切りに遭い死去したと聞きましたが… 当の死んだ本人が、現に先程生き返った。あれは、貴方達の推測通り…彼だけの持つ特有の能力か何かによるものでしょう。 」 疾風「あの赤いコート・・その時から既に計画していたのか・・・さらに調べる必要がありそうだな。そうだアンタ、エンジェリットって殺し屋は、しってるか?(ガルファイヤに)極上だと?・・・ゴリラと蜂蜜・・・関連性がわからんのだが・・・(ドンキーに) 」 ドンキー「 ああ…。…この蜂蜜は極上の蜂蜜と呼ばれていてな…。…この世界のどんな蜂蜜よりも美味と言われるモンなんだ…(疾風に) 」 ガルファイア「 さあ、それは分かりませんが… 以前お会いした際には、何か大きな企みをほのめかしていました。 」 疾風「ガルファイヤか俺は、疾風だ。過去でそいつは脅威とも思われずか・・だがなぜ今になって行動にでたんだ?(ガルファイヤに)蜂蜜だと?因縁?・・・なんかいやな予感がするぞ(ドンキーに) 」 ドンキー「 …お、おう…。(ワリオの隣で蜂蜜の壺を持って現れて)…俺がこの蜂蜜を取りに行ってから…ヤツとの因縁は始まったんだ…(疾風に) 」 ガルファイア「ガルファイアと申します。(疾風に)『彼』は、本人も口にしたように"過去"の人物の一人です。誰も彼と関わったことはなく、彼の行方や目的を知る者も当然いませんでしたし、そもそも誰も彼の存在に気づきませんでした。"当時"、彼自身はそれほど大した存在ではなかったのです。 」 疾風「怪鳥だと?・・・そんなものまでいるのか・(ワリオに) 」 メタルプリム「 ま、マジかよ…!!(それを聞いて)…聞かせてくれ…。 」 ワリオ「 あぁ、恐ろしい怪鳥だ…。…逃げ切ったかと思ったらまた追われてよ…(疾風に) 」 疾風「ほう・・・詳しく聞かせてもらってもいいか?・・えーと・・ 」 ガルファイア「 (ころころと転がりながら一同の元へ)割り込み失礼。先程の戦い、陰で伺っていました。…実は、私は、あの人(赤コートの人物)と会ったことがあります…。(※今は亡き幻のドラマ「LaSt wAr 光明編」にて) 」 疾風「やつ?(ワリオに) 」 メタルプリム「 この前はテロがあって、今回はこの有様… …少しずつ平和が崩れつつあるな…(汗)…やべっ!こんな事してる場合じゃなかった…!!ヤツに追われてるんだった…!!(何かを思い出した様に) 」 疾風「可能性はあるな・・・・確かエンジェレットとかいったな。そいつと赤いコートのやつの情報がほしい・・・関連性しだいでは・・蘇生理由も分かるかもしれん・・。(プリムに) 」 メタルプリム「 ああ…。…もしかすると、ヤツに操られていただけなのかもしれないな…。(疾風に) 」 疾風「しかし、あの光と闇の殺し屋ってやつ・・・途中から様子がかわったな・・(プリムに) 」 ワリオ「 遺体の蘇生術… …ゾンビ的なモンか… …恐ろしいなおい…(汗) 」 メタルプリム「 …そうかもしれねぇ…。…何て事だよ…。…俺達はまた戦争に戻る運命なのか…… 」 ワリオ「 ……。(バイクを走らせてその場にやって来て)…お、おい…。…何やらすげぇ音が聞こえたから来たけどよ… …何かあったのか…?(疾風に) 」 疾風「・・・クソ!(ソードを地面に刺し拳を握りしめる) 」 メタルプリム「 ……(しばらく黙りこんだ後、ソードの遺体を見て地面に崩れ落ち、強く地面を叩く)…ちくしょう…!!…結局のところ… …俺達は… ……戦争から逃げられねぇってのかよ!!! 」 疾風「だな・・・ったく・・気分悪いぜ。(胸糞悪いと言わんばかりの表情になる) 」 メタルプリム「 …何となくだが、仕掛けがわかってきたかもな…。…これは俺の推測だが…恐らく、ヤツの能力は死者を甦らせるネクロマンサー的な物…。…その様子だとお前も察しているようだな。…そして、その能力を使うには生贄が必要だと見た…。 」 疾風「はは・・・脚には自信があるんでな・・・(笑顔でプリムに)しかし・・・どういう事だ?砂なって、消えたと思えばソードもってた奴の遺体・・媒体蘇生か?(疑問符を浮かべる) 」 メタルプリム「 …やった…ようだな…(それを見て)…すげぇじゃねぇか…お前…(疾風に) 」 疾風「はぁ・・・はぁ・・クソ足いてぇ(右足を押さえる)・・・どういう事だ。これは・・・(砂となり消えるのを確認した後、ソードプリムの遺体に驚く) 」 エンジェレット「いやああああああああああああああああああああああ~~~~~~~~~~!!!!!!!(疾風の鋭い一閃をその身に受ける)…あ……あああぁぁ…!!………!?(豹変した表情から、徐々に穏やかになっていく)…あ、あれ…私は…一体何を…?? …あれ…から、からだが……うごか……―――サアァァァァァ……(灰色の砂となり、風に吹かれるように消滅した。すると、そこに残っていたのは…先程殺害されたソードプリムの遺体であった…) 」 疾風「スラーーーッシュ!(エンジェレットに思いっきりソードを振りかぶり一閃) 」 エンジェレット「消し飛びなさ――――!!(メタルプリムにエネルギーを解き放とうとした瞬間、背後の疾風の気配を察知し振り返ろうとする)(CV:水樹奈々) 」 疾風「こいつでも・・喰らいやがれぇ!!(地面にドン!という音がしたと同時にエンジェレットの目の前に現れる) 」 メタルプリム「 ……!!(疾風の合図を聞くと同時に『後は任せた』と言うばかりに後ろに引いて) 」 疾風「もういいぜ!(プリムに) 」 エンジェレット「おーーーほっほっほ!弱い犬ほどよく吠えるものねぇ?よっぽどこの私が怖いようねぇ~???いいわ、じゃあ楽に殺してあげるわよ♪ (そう言うとメタルプリムの方に掌を向け、光と闇のエネルギーを収束し始める)…光と闇のハーモニー!これであなたも簡単に、イ・チ・コ・ロ♪(エネルギーは徐々に大きくなっていく) 」 疾風「すぅ~・・・・はぁ~・・・(エンジェレットのほうを見続ける)あと・・・少し!(地面にひびが入り始める) 」 メタルプリム「 ………。(少し黙りこんだ後に接近してくるエンジェレットを見据えつつも…)…へっ!お前も案外大人気ないんだなぁ…。…ただただ平和で暮らしてる俺達や一般人にも容赦なく暴力…か。…それとも何か?…襲えるのは無抵抗な相手だけか?(エンジェレットを挑発して) 」 エンジェレット「んっん~♪逃がさないわ!ブンッ!(空を切り、メタルプリムに向かって接近する)CV:水樹奈々) 」 疾風「サンキュー!いくぜぇ・・・(足に力を入れ始める) 」 メタルプリム「 じ、時間稼ぎぃ!?(それを聞いて)…わ、分からねぇ…が、やれるだけやってみるぜ…!!(疾風に) 」 疾風「くっそ!(受身を取る)化け物とそういうレベルじゃねーな。アンタ少し時間稼げるか!?(プリムに) 」 エンジェレット「ウフフフ♪この斬る感覚がたまらないわぁ♪もっと、もっと斬り刻んで、あ・げ・る♪(更に二人に猛撃を繰り出そうとする)(CV:水樹奈々) 」 メタルプリム「 ま、待ってくれ!!話をき… …!?(間一髪で転がって避けて)…クソ…!問答無用って事かよ…! 」 疾風「な!?ぐうおおああ!(ソードを盾のように使うが防ぎきれず吹っ飛ぶ) 」 VS 【殺し屋の女神】エンジェレット エンジェレット「この、「光と闇の殺し屋」の異名を持つ殺し屋の女神『エンジェレット』様に殺されることを光栄に思いなさい♪ウフフフフ♪(二人を一文字に薙ぎ払う)(CV:水樹奈々) 」 メタルプリム「 お、おい待てよ!!それってどういう……(言い切る前に赤コートの人物が消えてしまって)…おいお前…。…何者だかは知らないけどよ…アイツの言った事が確かなら…戦争時代に生きていたヤツの1人…なんだろ!?(エンジェレットに) 」 疾風「な、テメェ!(消え去っていく赤コートを見て)おいおい・・・オレは一般人だぞ・・マジかよ(落ちていたソードプリムのソードを拾う) 」 赤コートの人物「…彼女もまたあの時代の人間の一人… みなさんで仲良く、思い出を語り合ってはいかがでしょうか。血と刃を交えながら、ゆっくりと、ね。クフフフ…(踵を返し颯爽と消え去った 」 疾風「グ・・・(レイピアを向けられ後ずさりする) 」 疾風「・・棺桶からって、事は吸血鬼か?もしくはアンデッドか?(混乱) 」 エンジェレット「あら、貴方達は一体――――ドクンッ!!!(疾風たちに話しかけようとした瞬間、赤コートの人物による謎の力により体に異変が生じる)…… …… ……フフフ、ウフフフフフ… ウッフフフフフフフ!! なんだか頗るいい気分だわ♪こういう時は…人を斬りたくなっちゃうのよね~…??? (豹変し、疾風とメタルプリムに邪悪な笑みを浮かべながらレイピアの切っ先を向ける)(CV:水樹奈々) 」 メタルプリム「 確かに… …悔しいが…俺達に奴を倒す力は… …っ!?(棺桶の中から現れた人物を見て)な、何だ!?…誰なんだお前は…!? 」 赤コートの人物「ニヤ…(疾風の「戦争を生き抜いたやつ」の発言に応えるように、口元で不敵な笑みを浮かべている)……ス…(エンジェレットに向けて掌を構える 」 疾風「ひ・・・人?(エンジェレットを見てありえないと言う顔をする) 」 エンジェレット「(棺桶の中から、レイピアを握った姿でゆっくりと現れる)………!(目が覚め、驚いた表情で辺りを見渡す)あら、ここは一体…どこかしら…? 」 疾風「に、逃げる・・べきだよな・・(プリムに) 」 メタルプリム「何だよ……(それを見て驚愕しつつも)…何なんだよ…一体…!! 」 疾風「こいつ・・まさか・・戦争を生き抜いたやつなのか・・・(後ずさりをしながら赤コートを見る) 」 メキメキメキメキィ…ッ!!ボゴォンッ!!!!(先程ソードプリムが引きずり込まれた地面から漆黒色に光る棺桶が出現し、黒光りの蓋がが軋みを立てながら開いていく) 赤コートの人物「貴方の中に眠る記憶を呼び覚まし、そして、共に過去へと回帰しようではありませんか。満更でもなかった、血の匂いが漂うあの時代へと―――――― ニ ヤ ―――――― 」 メタルプリム「 …ッ…(仲間をやられた悔しさに向かって行こうとするが、疾風の言葉と先程自分の言った事を思い出し、寸前で踏み止まって)…そう…だな…。…少なくとも、俺なんかが敵う相手じゃねぇ…ってのはわかってる…。 」 疾風「な、なんだよ・・・今の・・なにをしたんだ・・(地面へと消えるソードプリムを見て 」 ボゴッ―――――― ズ オ オ オ オ オ オ オ オ オ (無数の正体不明の黒い手が、地面を割って現れ、ソードプリムの遺体を包み込みそのまま地面の中へと引きずり込んだのだった…) 疾風「アンタ!こいつやばいぞ!武器持ってる仲間を一撃で!(プリムに) 」 メタルプリム「な…!?(異変に気づいて赤コートの人物の方を見る)おい…!!何してやがる…!! 」 赤コートの人物「――――――― パキィーン…ッ!!!(物言わぬ人形となったソードプリムを見下ろして、勢いよく両手を合わせる) 」 疾風「こ、殺したのか・・・おい(ソードプリムをみて赤いマントにきれ気味で) 」 ドクッドクドク……ドシャァ…!(ソードプリムから紅い滝が湧き出でて、ぐらりと倒れてしまった) ソードプリム「あ、アンタ何を言って… …ッ…!!!(貫かれて) 」 疾風「すげぇ・・(プリムをみて)お、おい!アンタなにしてんだ!(赤いコートに) 」 赤コートの人物「私(わたくし)と同じ時代を歩いた者がここに… これは奇跡であるが故に喜ばしきこと。時代の流れに翻弄されながらも今日まで懸命に生きてきた貴方を称賛したい。ならば"このような形"で、共に過去へと回帰しようではありませんか――――――― ズ ブ シ ャ ァ ッ … ! ! ! (一瞬の隙もなく、ソードプリムの胸部を手刀で貫いた 」 疾風「よっこらせっと!(持ち運び中)・・・・あの赤いの・・どっからあらわれたんだ・・・(赤いコートを見て) 」 メタルプリム「おっ、ありがとう!(疾風を見た後、赤いコートの人物を見て)…ん?アンタも手伝ってくれるのか?(赤コートの人物に) 」 疾風「おっと・・・手伝うぜ。。(持ち運び始める) 」 ソードプリム「…よっと!(手に持った剣で巨大な瓦礫を斬っており、持ち運びやすくしていて) 」 疾風「分かった!(プリムに)!?(赤いコートの人物を見る) 」 メタルプリム「本当か!?…ありがたい!…俺は生存者を探して救助を担当しているから、向こう側にいる仲間を手伝ってやってくれ。(疾風に) 」 赤コートの人物「懐かしい風が漂うと思えば…これはなんという奇遇なことでしょう。(風のごとく現れる 」 疾風「あ、アンタの仲間にはあんなでかいのもいるのか(汗)(プリムに) 」 ジャイアントプリム「 …よっこらせっと!…忙しい忙しい……。(復旧作業中…。体の大きさを生かして力仕事をしている) 」 疾風「そうか・・・よければ俺も復興作業を手伝わせもらえないか?資材運びくらいならできると思うが。(プリムに) 」 メタルプリム「 …おう…。…荒れちまった街についてだが、今は俺の仲間達が何とか復旧作業中だ…。…しばらくすれば元通り…とまではいかんかもしれんが、現状よりはマシになるだろう…。 」 疾風「アンタ戦争経験者だったのか・・・アンタも大変なんだな。(プリムに) 」 メタルプリム「…ああ。当時の事が懐かしいぐらいだ…。……実を言うと、俺も大戦争に参加していた身でな…。…戦争が終わってから戦いの後に残る虚しさを知って… …今じゃもうすっかり平和ボケさ…。 」 疾風「学校で聞いた程度だが・・昔は、大規模戦争もあったらしいからな・・・平和は、短いな・・・(悲しそうにプリムに) 」 メタルプリム「…そうだな…。…しかし、最近平和になって来たと思ったら…また物騒な事になってきたモンだ…(汗) 」 疾風「そうだな。もしまた。出てきたら対処のしようがない・・・避難場所も確保しておきたいが・・意味はあまりなさそうだな・・(プリムに) 」 メタルプリム「 …幸いなのは、今は奴等がいなくなった…って事ぐらいだな。…いたら襲い掛かってくるだろうし…(疾風に) 」 疾風「そんなにやばい化け物だったのか・・・・せめて逃げ切れるまでの時間稼ぎ用にほしいな・・・できれば交戦はしたくないが・・・(プリムに) 」 メタルプリム「 …武器…か。…下手に喧嘩を売らない方が賢明だとは思うがな…。…俺の仲間から聞いた話によると、1体でもとんでもねぇヤツだったらしいし…(疾風に) 」 疾風「ふむ・・・だが襲撃があったって事だけで、頭ん中真っ白だぜ・・・浦橋ならなにか分かるか・・・ねんの為に武器もほしいな・・(プリムに) 」 メタルプリム「 …さっぱりな…。…俺が知っている事は、それだけなんだ…。 」 疾風「・・・襲撃?・・・原因とかは、わからないのか?(プリムに) 」 メタルプリム「 …これは俺の仲間から聞いた話なんだが、昨日辺りの出来事だ…。…恐ろしい化けモンの大群が襲撃してきたんだとよ…(疾風に) 」 疾風「せ、生存!?ど、どゆうことだアンタ!(プリムに) 」 メタルプリム「 お!?(疾風を見て)…ま、まだ生存者がいたぞ…!! 」 疾風「・・・あれ・・・生物・・なのか?(プリムを見て) つか・・・・なにがあったんだよ・・・なんだよ・・これ・・(周りを見て白目になりかけである) 」 メタルプリム「 ……。(その辺を歩き回っていたが、戻って来て)…駄目だ。誰も見つかりはしねぇ…。…事態は予想以上にヤヴァい事になっちまったようだな… 」 プリム「 ああ…。…じゃあ、俺はあっち側で探すぜ…(唐澤とは別の方向で生存者を探す事に) 」 唐澤貴洋「なら、核はまた攻めてきたときのために温存しておくべきナリね……他に生存者がいないか見てくるナリ(どすどすと走っていく) 」 プリム「 …ああ。…襲って来る気配も全く無いしな…。…奴等がいたら間違いなく襲って来るだろうよ…。…とは言え、何処にいるかまでは知らんがな…(唐澤に) 」 唐澤貴洋「………いない?……そうナリか、じゃあ今ここに核を打っても無駄弾ナリね………そいつらは今どこにいるかは……知らないよな… 」 プリム「…お、おう…。…でよ、今思ったんだが…襲ってきたアイツ等もいないし、ここに核をぶっ放す必要は無いんじゃね?(唐澤に) 」 唐澤貴洋「………(時計を見る)…30分が経過したナリ…… 」 プリム「 …くそっ…!…俺は爆発に巻き込まれたものの、運よく地面に埋まった事で何とか生き延びたが… …あんな大襲撃を受けたんじゃあ…生存率は絶望的か…! 」 唐澤貴洋「(コーランを燃やしてのろしを上げる)生存者はみんなこののろしのところにくるナリ!3時間まで待つナリ、来なかったら奴らと一緒に核の炎に包まれることなるナリよ(スピーカーを介して叫ぶ) 」 プリム「 …そうだ…。…必死になってアイツを倒すために戦ってくれた奴等は無事なのか!?…無事だったら誰か返事をしてくれ!!(こちらも叫んでみて) 」 唐澤貴洋「なるほど、そういうことナリか……早く核打ち込んで全滅させたいナリね……他に生き残ってる奴はいないなりか!!???(全体に向けて叫ぶ) 」 プリム「変な…ヤツ…(昨日現れたMPFを思い出しつつ)…!!そうだ…!昨日変なヤツが襲って来て…そいつはここに集まった皆の協力で倒されたんだが… 新手が大量に襲って来て…(唐澤に) 」 唐澤貴洋「変な奴がたくさん現れたことしか知らないナリ(プリムに) 」 プリム「 ぶふぉっ!(引っ張り出されて)…え?えぇ?…????(周囲を見回して混乱している模様)…一体何があったと言うんだ…(唐澤に) 」 唐澤貴洋「(プリムを引っ張り出す) 」 プリム「 ああ…コイツd…ってうおっ!?(真っ逆さまの状態で埋まってるプリムを見て)…どうしてこうなった…(汗) 」 唐澤貴洋「これか(プリムを見て 」 プリム「 ………。(真っ逆さまの状態で地面に埋まってた) 」 唐澤貴洋「…うーん、どこにいるナリか…(探している) 」 プリム「 …ああ…。…確か、向こう側に行ったはず…(歩き出して仲間を探している) 」 唐澤貴洋なるほど……まずはそいつを探すべきナリね……(歩き出す) 」 プリム「 か、核ミサイル334個… …恐ろしいなオイ…。…軍の関係者か何かか…? …まぁ、それはいいとしよう。…この辺りで「騒ぎが起きたからちょっと様子見て来る』…って言って偵察に行った俺の仲間がいるんだが… …そいつが無事かどうか心配でな…(唐澤に) 」 唐澤貴洋「当職を甘く見ちゃダメナリ、当職の事務所には核ミサイルが334個はあるナリ、全部打ち込めばそいつらは死ぬナリよ…でも救助することを優先すべきと言うのは一理あるナリ、無事だった人を全員避難させる必要があるナリ 」 プリム「 ま、待て!平然と街を滅ぼす程の恐ろしい奴等だ…!下手に喧嘩を売って敵う相手じゃない!…今優先すべきは、無事だった人達を救助する事だ!(唐澤に) 」 唐澤貴洋「なるほど……それは大変ナリ(核ミサイルを取り出す)…そいつら。殲滅してやるナリ 」 プリム「 俺にもよくわからねぇ… …が、よくわからない集団どもが攻めて来て…街中こんな有様に…(唐澤に) 」 唐澤貴洋「無事ナリ(振り向く)何か起こったナリか 」 プリム「 お…?(唐沢を見て)…だ、誰かそこにいるのか!?ぶ、無事なのか…!?(声をかけてみる) 」 唐澤貴洋「(誰かと電話をしている)…パパ、帝愛のカジノ行くナリ、金貸すナリ 」 プリム「 ……。(周りの光景を見て驚愕して)…とんでもねぇ事になっちまったな…。…俺の仲間達は無事でいるだろうか… 」 ワリオ 「 おいおい…行かない上に協力もしない癖に分け前貰うって… …それっておかしくね?(汗)…まぁいいや。余ったらやるよ。(プリムに)…よし、こんな所か…。(バイクのメンテを終えて)…答えが出たら現場に向かうとするか…。(バイクを走らせてその場を後にした) 」 プリム「 …だったら、決断は早めにしといた方がいいかもなー。…ついでに頼みたいんだけどさ、それ…ゲット出来たら俺にもわけてくれね?(ワリオに) 」 ワリオ「 別に俺だって興味が無いわけじゃないさ。…ただ、本当にそこまでして手に入れる価値のあるモンなのかを考えていただけだ。…あまり考え込み過ぎててもあの2人に先を越されちまうかもしれんがな…(汗) 」 プリム「 噂は聞いてたけど、まさか本当にあったとはなぁ…。…蜂蜜一つでそんな危険な所にまで足を踏み入れるモンなのか…(ワリオの隣で)…まぁ、俺だったら怖くてやらないけどね。 」 ワリオ「 ……。(周囲を見回しつつも何かを考えていて)…結局、俺は行かない事にしちまったが… …アイツ等、ちゃんと上手くやってるか心配になってきたなぁ…。(バイクのメンテをしつつも) 」 ドンキー「…おうよ…。(ヒロに)…とはいえ、もう追って来ないようだが… …心配だなこりゃ…(汗)…今夜は俺もここで一休みするとするか… 」 ヒロ「…クラウソラス、ねぇ…そんな名前なのか、あれ…会った時は気をつけるよ……んじゃ、俺はもう寝るから、帰るのは撒けたと思ったらでいいからー(土でできたベッドに入って寝る) 」 ワリオ「…(図鑑をめくってみて)…えーっとさっきのヤツだろ…? …!!(さっき見た怪鳥と同じのが載ってたところでページを止めて)あーあったあった…。…コイツか。…『クラウソラス』って怪鳥らしいな…。(ヒロに) 」 ドンキー「まあなぁ…。…何て鳥だかは知らんけどな…(汗) 」 ヒロ「…そら甘くないよ恐ろしいことで有名な鳥なんだろ…?(ドンキーに) 」 ドンキー「昨日貰った銃も試してみたが… …ヤツはそんなに甘く無かったんだ…!(こちらもディディーと共に続いてヒロに) 」 ワリオ「って出たああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!(怪鳥を見て)…お、おう…!!(ヒロに続いて) 」 怪鳥「…クエェェェェェェェーッ!!!!(ドンキー達を追って来た緑色の巨大な怪鳥がドンキーに襲い掛かる) 」 ヒロ「…な、なんてことを………!!!!…お前ら、こっちだ!土の中に逃げろおおおお!!!(土の中に消える) 」 ディディー「蜂蜜を取る事には成功した… …けど、ヤツが追って来たんだあぁぁぁぁぁぁ!!!(ドンキーと一緒に逃げつつもヒロに) 」 ヒロ「…ど、どうしたん…?(走ってきたドンキー)に) 」 ドンキー「 取ったどおおおおぉぉぉぉぉ!!!!…ってそれどころじゃなかったあぁぁぁぁぁぁぁ!!!(蜂蜜の壺を抱えながらも必死でヒロの元まで走って来て) 」 ヒロ「…確かに有名なハチミツの怪鳥だから載ってそうだよな……載ってた? 」 ワリオ「 確かに…な…。…しかし、何て怪鳥だろうなぁ…。…この珍生物図鑑に載ってるか気になるな…。(図鑑を開いてみる) 」 ヒロ「……相当大きいじゃねえか、真っ向勝負ならパワー的に勝ち目ねぇぞ(白目) 」 ワリオ「 多分、そうだと思われる…が…ヤヴァイかもしれん…。…ドンキーから聞いた話だと、その怪鳥…ドンキーよりも大きいらしいからな…(ヒロに) 」 ヒロ「なんだ、まだ帰ってきてないのか…怪鳥との戦いが長引いてる…とかか? 」 ワリオ「 だが、ドンキーの奴が心配だな…。…アイツ、昼頃から行ったのにまだ帰って来てねぇし…(ヒロに) 」 ヒロ「…そうよ……それでもお前は行くというなら俺は止めないけどな…(ワリオに)… ワリオ「 …まぁ、それが一般的な意見だよなぁ…(ヒロに)…周囲が爆発だらけなのもイヌイクサンってヤツの仕業なんだ…。(それを見つつも) 」 ヒロ「…俺はいいかなー……どんな効果があるかわからないハチミツのためにリスクを負うほど安い体ではないしな…(ワリオに) 」 ワリオ「大丈夫だ…。…俺は周囲から『不死身』だの『G並みにしぶとい』だのいろいろ言われてるぐらいだからな…。…お前はどうするんだ…?(ヒロに) 」 ヒロ「…お前も行くのか……?命を投げ捨てるようなもんだぞ……?(ワリオに) 」 ワリオ「で、ドンキーのヤツが今度はディディーを連れて再挑戦…との事らしいが、大丈夫かどうか心配になってな…。…ついでに、俺もその蜂蜜に興味が湧いて来た…。(ヒロに) 」 ヒロ「怪鳥、か……(ワリオに)ハチミツの持ち主だろうな 」 ワリオ「でもな、そこは相当危険な所らしくてな…。…さっきも言った通り、ドンキーがボロボロになって帰って来たわけでな。…原因はその谷にいるとある怪鳥のせい…らしい。(ヒロに) 」 ヒロ「…そんな谷があるのか……どんな蜂蜜なんだろうな、極上ってんだから相当うまいんだろ(ワリオに)もうおこった(( パルスィのもとに、爆弾5キロ分を持ってくる) 」 ワリオ「これは俺が聞いた噂話…だったんだ。とある谷にこの世のどの蜂蜜よりも極上な蜂蜜がある…って噂でな。…昨日ドンキーがそれを取るためにそこに行ったんだけどよ…結局取りに行けずにボロボロになって帰ってきたわけだ。…得られたモンは、その噂話が本当だった…って事だけだな。(ヒロに) 」 ヒロ「聞いてないな(ワリオに) 」 ワリオ「…ところで、例の蜂蜜の件なんだが…お前は聞いてたっけ?(ヒロに) 」 ヒロ「……うーん…何か怪しいことするわけじゃないならほっといていいんじゃねえか?…まぁ、この世界を支配しようってんなら、話は別だけどな…(土団子を作り、後ろの公園の砂場に放り投げる) 」 ワリオ「 情報が出てるって事は、どっかに目撃者がいるんだろうな…。…まぁ、四皇帝自体は壊滅状態…って事らしいから、残党どもに何が出来るんだ…って俺は思ってるがな…。 」 ヒロ「…へぇ、部下の一部が、ねぇ……どっかで見かけたとか…?(ワリオに) 」 ワリオ「 おう…。…前に宇宙中を騒がせた四皇帝についてはお前もある程度は知ってるよな…。…実はな、そいつ等の部下の一部がまだ生き残ってる… …って噂が立ってるんだがよ…(ヒロに) 」 ヒロ「…なんた、とんでもない情報?(ワリオに)」 ワリオ「 まあな…。…そうだ…。とんでもねぇ情報を掴んじまったからお前に伝えようと思ってな…(ヒロに) 」 ヒロ「…おぉ、ワリオちゃんじゃないかー!(いつにも増してハイテンション)…元気だったー!?(ワリオの方を向く)」 ワリオ「 ブロロロロロー…キキーッ!!(バイクを走らせていたが、ヒロの姿を見てバイクを止めて)…おう、ヒロじゃねーか…。 」 ヒロ「…(千鳥足で夜の街を歩いている)…次どこに行くかなー…… 」